勉強会


「センセーこの問題がわかりませーん」

「ここはこの公式」

「センセーこれってどこがいけないんですかー」

「途中式が違ぇーだろ、足し算で間違うとかありえねーよ」

「センセー」

「何だよ」

「センセー代わりに解いてください、その間私お昼にしてくるので」

「あ、俺もサンセー」

「っざけんなよ、お前ら…!」



バシンバシンッ!と連続して花宮は手にしていたノートで
生徒2人の頭をひっぱたき

その横では他3人が涼しい顔をして自分の課題に黙々と取り組んでいた



「古橋、ここわかるか?」

「あぁ…ここは……」



その中、山崎が自分のノートを手に隣の席の古橋に質問をするのだが

それをジトーッとした眼差しで見ている者が1人…いた



「…どうした?清水」

「何で私と原は花宮にスパルタされてんのに山崎は古橋に教わってんの?てか瀬戸なんてぼっちじゃん」

「流石に瀬戸には振れねーよ、レベル違ぇーし…」

「何だよ、山崎のクセに……死ね」

「はあ!?」

「それ考えると花宮が適任なんだよな…俺教えんの苦手だし」



そうして瀬戸は花宮へと視線を流して見てみると
原に一々細かく指導している様子が見られた

そしてしばらくすると、「お、わかった」と原が声を上げる



「ってことはこのあとラクショー」

「原はもうこれで良いだろ…、問題は…」

「…………」

「…………」

「……え、私?」

「他に誰がいんだよ。ったく、なんで俺がこんなコト」

「そうだ、花宮。何でこんな面倒な仕事請け負ったんだ?」

「あ?」

「いつものお前なら断るだろ、ありもしない用事つけて」



古橋が持参していた紙袋から全員の分の昼食を取り出して配りながら、そう花宮に聞いてみると

本人は非常に答えたくないように顔をしかめて、受け取ったコーヒーにストローをさして口を付けた



「…………」

「何だよ、答え辛い理由なのか?」

「…いや、ただ…」

「ただ?」



口を閉ざして目を向けた先

その視線を辿ると、どれにするあれにすると食べるものを選ぶ蛍と原



「アイツらの成績が悪すぎてバスケ部はバカだ、っつわれんのが癪(シャク)なだけだ」

『あぁ、成る程』



口を揃えて納得すると、何が?と問題児2人は首を傾げた



勉強も、思い出の1つ



「俺は単位とれりゃイイし、つか赤点とかとったことねーけど…」

「私も赤点はないよ?…多分」

「一哉は提出物無さ過ぎてペケ、蛍は居眠り多すぎてペケだろーが」

「山崎は?私らより頭悪くないの?」

「おい!」

「コイツは授業中は真面目だから教師ウケ良いんだ」

『うわー…』

「何だよ!別に媚び売りとかそんなんじゃねーよ!!」

2012/08/04

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