同志
紅麗「邪魔するぞ。」
烈火「おー紅麗……それ、どうしたんだ?」
紅麗「マンションの下に捨てられていた。」
薫「拾ったんだ?」
紅麗「この雨の中、憐れでな。」
烈火「ふーん。まぁ、良いんじゃねぇの?お前、一人暮らしだし。」
紅麗「それが…うちのマンションはペット禁止だと言うことを忘れていてな。」
烈火「………で?」
紅麗「引き取ってくれ。」
烈火「駄目に決まってんだろ!」
紅麗「何故だ?此処は一軒家だろう。」
烈火「一軒家でも無理なもんは無理!お前ぇは知らねぇだろうけど、前にこの辺で猫増え過ぎちまって大問題になったことあるんだぞ。」
紅麗「野良で無いなら大丈夫だろう。」
烈火「犬と違って猫は勝手に出歩くだろ。野良も家猫も関係ねぇんだよ。」
紅麗「しかし、小さい内から躾をすれば…」
烈火「だーかーらー…」
風子「おっ邪魔ー。あれ、紅麗?」
空太「烈火くーん!猫とか飼う気無い?」(子猫×3)
烈火「空兄…その猫…。」
空太「実はね、知り合いの家で子猫生まれたんだけど、里親が見付からなくて…。家では願子ちゃん以外全員に断られちゃったし……烈火くんの家、駄目かな?」
烈火「駄目!無理!つか空兄だって、ちょい前の猫問題知ってんだろ?」
風子「ほーら、見なさい。大人しく知り合いの家に返して来たら?」
空太「うぅぅ…でも…殺処分にでもなったら…。」
風子「だからって、家が近所から悪く言われても良いっての?願子が学校で苛められたらどうすんの?責任取れんの?取れないでしょ?諦めなちゃい!」
空太「うぅ…そんな…烈火くーん…。」
烈火「だから、うちも無理だっつってんだろーが!紅麗も空兄もいい加減にしやがれ!」
空太「え?あ…紅麗さん…。」
紅麗「……どうも。」
空太「…………」(紅麗の猫見る)
紅麗「…………」(空太の猫見る)
紅・空「「…………」」(頷き合う)
烈火「『うん』じゃねぇぇーっ!」
風子「さっさと元のとこに返して来い!!」
薫(和解のタイミング悪いなぁ…。)
紅麗と空太の距離が最も縮まった瞬間だった。
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