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烈火「よう、紅麗、おかえりー。勝手に上がってるぜ。」
紅麗「あぁ。夕飯は食べたか?」
烈火「いんや?一緒に食おうと思って、待ってた。」
紅麗「そうか、……。」
烈火「?どうかしたのか?」
紅麗「何がだ?」
烈火「いや、何か、妙な顔してっから。」
紅麗「……あぁ、いや、ちょっと退社前にあったことを思い出してな。」
烈火「へー、何?」
紅麗「別に大したことではないんだが…、」
* * *紅麗「まだ誰か残っているのか?」
社員A「うわっ!し、社長?!」
社員B「お、お疲れ様です!!」
紅麗「あぁ、構わない、楽にしてくれ。」
社員B「あ、はい。ありがとうございます。」
紅麗「所で……私の見間違いではなければ、そちらの彼は…泣いていないか?」
社員B「あー、いや、ちょっと…。気にしないでやって下さい。」
社員A「そうです。大丈夫です。ちょっとフラれただけですから……フフ、フフフ…。」
紅麗「……そうか。それは……無粋なことを聞いたな。済まない。」
社員B「いやいやいや!社長が謝ることじゃありませんって!」
社員A「そうですよ。それに俺がフラレるのなんて、地球が自転するのと同じ位、ごく当たり前のことですしね……はは。」
社員B「ちょっ、お前に社長にまで…!」
紅麗「いや、構わん。楽にしろと言ったのは私だ。それに今は業務時間外だ。仕事の後の雑談に社長も何も関係無いだろう。」
社員B「はぁ……。」
社員A「流石社長は器がデカイっすねー…。きっとモテるんでしょうねー…。俺なんて、彼女いない歴=年齢なのに…。(泣)」
紅麗「いや、それは……」
社員B「泣くなって!女なんて、星の数程いるんだから。すぐに良い彼女ができるって!な!」
社員A「でも、俺、もうすぐ30なのに……もう俺、一生独り身なんかな…。」
社員B「そんなことないって!俺だって、来年30だけど彼女いないぞ。深く考えるなよ。な!」
紅麗「……その通りだ。」
社員A「そうかな…そっすかね…。……ちなみに、社長って、今おいくつなんですか?」
紅麗「今年で21だが…。」
社員A「若っ!良いっすねーまだまだ遊び放題っすねー。社長のヴィジュアルなら火遊びし放題っすよねー。良いなー輝いてるなー。」
紅麗「そ、そうか…?」
社員B「お前っ!馬鹿!社長がいくら寛大だからって絡むな!済みません済みません!!」
紅麗「いや、構わないが…。」
社員A「『俺に触ると火傷するぜ?』とか一度でいいから言ってみたいよなー…。」
紅麗「……。」
社員B「お前マジで酔ってんのか…!?良い加減にしとけよ!!もう本当に済みません……これ以上の愚痴は俺が責任持って聞いときますんで、社長はお気になさらず…。」
紅麗「あぁ、いや、……そうだな、生憎人を待たせているのでな。その……頑張ってくれ。」
社員B「ありがとうございます。……御言葉痛み入ります…。」
紅麗「では、……失礼する。」
社員A・B『お疲れ様でしたー!!』
* * *紅麗「……ということがあってな。」
烈火「く、紅麗が恋愛相談…!(爆笑)」
紅麗「私とて社員達と交流位している。まぁ、機会は確かに少ないが……それでだな、」
烈火「おう、」
紅麗「その時は何となく雰囲気に気圧されてしまって大した返答は出来なかったんだが…、」
烈火「うんうん、」
紅麗「『私に触れて火傷した者はいないが、焼死した者は数え切れんぞ』と、言った方が場が和んだのではないのかと…」
烈火「あぁそうだな…って、和まねーよ!お前の場合喩えでも何でも無ぇじゃねぇか!!洒落になんねっつの!!」
紅麗「そうか?中々ウィットに富んだジョークだと思ったんだが…。」
烈火「ブラック過ぎるだろ!!」
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