ヒーロー

※紅麗様が新聞に載りました。


薫「ほら、これこれ。」(記事持って来た)

風子「うわっ!本当に紅麗だ…!」

空太「21歳男性が火事から少女救出だって。凄いなぁ。」

烈火「だろ!だろ!」

紅麗「別に大した事では無いだろう。あの程度の火で火傷する訳でも無し…。」

烈火「何謙遜してんだよ!カッコイイな畜生!!」

風子「だからって、わざわざ自慢しに来ることないでしょ、夕飯時に。」

烈火「うっせぇなぁ、良いじゃねぇか。別にお前が飯作ってる訳でも無ぇ癖によ。大体お前、只でさえ見た目以外男なんだから、花嫁修行ぐらいしとけよな。雷覇が可哀想だぞ。」

風子「テメェ殺す…今日こそ殺す…!」

空太「相変わらず仲良いなぁ、二人とも。でも、本当に紅麗さんは凄いですね。感謝状とか出るんじゃないですか?」

紅麗「あぁ、そのようだ。」

烈・薫「「すげぇー!」」

風子(ちょっと前まで、逆に炎で少女殺してたような奴なのに…。)

空太「凄いなぁ。俺が表彰された経験なんて、幼稚園の時の良い歯の賞位だよ。(笑)」

風子「それ今言う必要あった?」

空太「うん、無いね。それに、表彰云々は置いといても、人命救助なんて中々出来る物じゃないよね。凄いなぁ。」

風子「(せっかくだから、このまま紅麗を持ち上げとこ。いつまでも兄貴を目の敵にされても困るしね。) ましてや、火の中に飛び込むなんてねぇ?兄貴とは雲泥の差だわね。」

空太「えー、泥は酷いな。」

風子「じゃ、月とスッポン?」

薫「風子姉ちゃん、変わってないよ。」

烈火「…っおい風子!言い過ぎだぞ!良いじゃねぇか!別に人助けなんかできなくても!」

風子「は?」

薫「え?」

紅麗「……」

烈火「良い歯の賞だって十分すげぇよ!それに小学生の頃、俺と風子が上級生に絡まれた時、いっつも助けてくれてたの空兄じゃんか!人命救助なんか出来なくても、空兄は俺のヒーローだぞ!」

紅麗「ほう……。」イラッ

薫(あーぁ…。)

風子(ぎゃ、逆効果…。)

空太「ありがとう烈火くん。何か照れるなぁ。」

紅麗「……」イライラッ

風子「あ!もう夕飯出来たみたいだし、そろそろ…。そっちも早く帰らないと陽炎が心配するんじゃない?」(こうなったら早く帰そう!)

薫「う、うん、そうだね!そろそろ帰ろっか!ね!」

烈火「お、そうだな。じゃ、風子、また学校でなー。」

風子「はいはーい。」(早く帰れ。)

空太「また感謝状見せに来て下さいねー。」

風子(兄貴黙れ!余計な事言わんで良い!)

紅麗「えぇ、そうしましょう。……あぁ、ところで空太さん。」

空太「はい?」

風・薫((嫌な予感…。))

紅麗「明後日は新月だそうですよ。御帰宅が遅くなるようなら、夜道に気を付けられた方が宜しいかと。……では。」

空太「そうですか。わざわざありがとうございます。」

風・薫((……殺る気だ…!))



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