0

目が覚めると、自分がどこにいるか解らなかった。

ここはどこで、自分は何をしてたんだろうか。

身を起こすと、枕元に小さな手帳が置いてあった。

何となく見なければならないような気がして、手に取る。

手帳を開くとこんなことが書いてあった。



俺の名前は花菱烈火。
親父の名前は茂男で、特徴は馬鹿。
母ちゃんは陽炎。超美人!
兄貴は紅麗で4つ上。鬼畜で性悪でブラコン。
弟は薫で2こ下。生意気。プロレス技に気を付けろ!

俺はアルツハイマー病っていう病気で、記憶することが出来ないらしいから、気になったことは何でも、このメモ帳に書いとけ!
by××年○月の俺(と紅麗)



(『はなびしれっか』『しげお』『かげろう』と……何て読むんだ?ふりがな振っといてくれよ『紅麗』さん。)


不親切な自分の兄らしい人に心の中で不満を洩らしながら、パラパラと手帳を流し見る。

几帳面そうな綺麗な字の中に、時折乱暴なバランスの悪い字が混ざっていて、最初のページに『(と紅麗)』と書かれていたが、9割方『紅麗』さんが書いたんだろうと推測した。


「……お?何かあるぞ。」


最後のページまで見た後に、表紙の裏側のポケットを探ると、中に紙切れが入っているのを発見した。

開いたそこには、乱暴な字でこう書いてあった。


<< >>
back top
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -