午後は私たちはなぜか長縄大会をしました。中学生かよ…。爺にはしんどいことばかりやらせおって…
そして何事もなく、夕食もとりつつ順番に風呂に入りながらぐでぐでとしていたわけです。
お風呂貯めて泡ぶろにしてる友人とかいたけど風呂で遊ぶより売店見たかった弥蜂たちでした。
「そうだ。あたしアイのところにいかないと!」
「どうしたサク」
サクが忘れていたように立ち上がる。
「アイの明日の分のワイシャツ間違えて私が持ってきちゃったみたいなの。靴下も」
「確かにそれはあいつ困ってるかもねえ」
なせこは案の定出て行ったばかりなので(とかいいながら消えると宣言した割にはほとんど一緒に行動している気もしなくもないのだが)今は3人だけ。
一応鍵は2本あるのでオミとなせこで持っているのだし、大丈夫だとは思うが。
「なんかあれだね。べただね」
「たしかに」
とかいう会話をオミとしながらついてきて!というサクについていきつつ階段を下りていくわけです。
男子はいっこ下の階です。
事前に部屋は聞いていたらしく迷わず進んでいく2人。
女子はほかのクラスの友人とかを部屋に招いてみんなで遊んでいたりするのであらゆるとこの部屋が開けっ放しなので、この全部しまっているという男子階が少し異様に思えなくもない。
「ここだ」
「いるかな」
「だってマリとか引きこもりじゃない」
「たしかに」
「2人ともひどい」
こんこん、がちゃがちゃ。
ノックの意味はあるのかと聞きたい。
ノックの直後にサクはドアノブをがちゃがちゃする。
「はいはい、なに、だれ?」
アイくんの声が聞えて、がちゃんとドアが開く。
「サク?どうしたのさ」
「シャツとくつしたが間違って私の荷物に入っていたのよ」
「え!そうなの?全然気づかなかった」
「やっぱりね。」
はい、とアイくんにそれらを渡す。
可愛い袋に入っている。
アイくんはその女子力の高い袋を何の躊躇もなく受けとる。
おいたぶんあいつも女子力高いぞ。
「そうだ、一戦やってかない?」
「え、なにかしてるの?」
食いついたのはオミだ。
「うん。トランプをいろいろ。でも、ゆうやは寝るしミヤビは強すぎるからハブらざる負えないしで微妙に困ってたんだよね」
「なに賭ける」
「なんでもいいよ」
「よし乗った」
「おっけ。」
なに、オミすごく燃えてらっしゃる…
そんなわけでお邪魔することになりました。
賭けてるらしいので私は不参加です。
「じゃあ大富豪でも」
「いいよ」
オミとアイくんが燃えとります。
サクも参戦して4人でトランプをにらむ。
私は外からミヤビくんとがんばれーとヤジを飛ばすかかり。
「っだー!またサク一番じゃないか!!」
「サク…こんな才能が…!」
結果、サクが強い。
「どうよ!負ける気がしないわ!」
サクちゃん、はじめは大富豪もルールあんまり知らないらしくてアイくんが説明していたんだけど2回めからは要領を得たのか負けなし。
下3人は割と同じくらいの強さみたいで、いろいろ順位は変わって行ったりしていたんだけど。
「まさか…!頭使うのニガテそうなのに…!」
「ちょっとオミそれどういうことよ!」
「一回サク抜いてやろう。ランちゃん入らない?」
「私弱いよーゲームごとは」
「なんなら賭けなくていいから」
「んーそれならいいよ」
とか言って、今度は私が参戦することに。
サクはひたすらつまらーん!とか言ってアイくんのらしきベッドでばたばたいじけてる。
「ちなみにベッドってどれが誰の?」
まあいしまきくんはスーパーオヤスミタイムだしサクのいるのはアイくんのだしなんとなく分からんでもないが…
「なにランちゃんそれはあれ!?心理戦!?」
「アイくん疑心暗鬼になりすぎだよ」
「窓際が俺」
くいっといちばん端のベッドをマリくんが示す。
一番荒れてる…というか散らかってる(といっても多少程度だよ。ほかがきれいすぎる)ところ。
「ああ、そんな気がした」
「隣はミヤビ」
周りは汚いけどベッドの上は皺すらないんじゃないのってくらい綺麗なミヤビくんベッド。
「その次がアイでゆうや」
「ふんふん。」
アイくんのベッドはせっかくきれいだったのにサクが暴れるので布団蹴落とされたりしてます。可哀想すぎて少し笑う。
「性格でるなあ。」
「そういわれればそうかもな」
「あ、まって。待ってマリくん出すの!?」
「出すだろ」
「あかん!やめて!」
「ランちゃんずるいよそれは」
「だって!そうしたら詰む!」
「ダメだよマリ!出せ!」
「あー!」
そんなわけでぎゃいぎゃいと2、3戦やらせていただきまして。
びっくりするくらいに全部2位だった。笑った。
万年2位とはこのことか…!!
「さ、そろそろ帰ろうか。サクが寝てしまいかねない」
「おいて帰ればいいとおもうよ。」
「待って俺の寝る場所。ちゃんと連れて帰って」
「えー。」
「ランひどいわよ!?」
なんかわちゃわちゃしてからお暇する。
そういえばお暇、って書いて"おいとま"ってよむのついこの間まで知らなかったんだよね。
結局サクもつれて自分たちの部屋に舞い戻る。
…なんか、あれ?すごいリア充的なことしてなかった私ら。
うわ。びっくりしたー。
「ランたちリア充すぎわろたー」
なせこがいう。
「私も思ったびっくりした。彼氏のとこに行ってたなせこぐらいのリア充加減だった」
「えっちょっなんでそれ知ってるの」
「あ、マジだったんだ」
「カマかけだめ!絶対!!」
きゃいきゃいと笑いながら、消灯時間を迎える。
まあ大して時間通りに寝られる人間はいないと思うんだけどね。だって10時。今から活動時間…!
「ここはアレでしょう?こいばな!するのがセオリーなのよね?」
「サクのそれが何知識なのかを小一時間ほど弥蜂は問い詰めたい所存」
「ほんっと、サクは女子力高いなあ」
私とオミがけらけら笑う。
なせこ(唯一のリア充)が集中攻撃になるのが分かっているので彼女は必死に反対しているが。
「サクがのろけるなら考えてもいいよ」
オミが何を思ったのかそんなことを言う。
「え、オミ好きな人とかいるの」
「ん、まあね」
なんだろうそれは相当な悲哀ではないのか。
彼女は人間じゃないと自称しているわけだから…
いや、その好きな相手に本をあげればオッケーなのか?
ああ、いやでも年も取らないみたいだしだめか…
「えーでもあたしのろけることとかないわよー」
「質名くんは?」
なせこまで知っているという彼女らのリア充感。
むしろお前らリア充じゃなかったのかよというね。
「ランはマリだね」
「えっ」
「そうだねーリア充ばっかりかここ」
「えっ私リア充くない。ってかお前がリア充だろう」
「ラン口調」
「仕方あるまい突然の爆撃故」
「武士がいる…!
ってあれ、リア充じゃないの」
「ないよ…!」
「…あれで?」
「えっアレってなにどれ?!」
「だって灰歩くんすごく…あからさまというか…」
「え」
「っていうか位置取り的に」
「ああ、まあ確かにあの人距離近いけどね…違うよ…
そしてオミの話が私は聞きたい」
「えー。だってよ?サク」
「ないものはしょうがないじゃない!」
「ないものは作ればいいと思うよ」
「ランはあたしに嘘をつけというのね!」
…わあ…なんなのこの浮かれ学生っぷり…すごく…リア充です…
まあメンツがメンツだし逆に仲良すぎてこっぱずかしいこんな話題をべたにまるで女子高生のようにかわしつつ夜は更けていくのでした…。