ということで読み終えて現実に帰ってきました。
 ついでに例の本の話もひとつだけ読んだ。なんだか女同士ががちの口喧嘩する話だった。

 なんなの?今日クラスであったあれに引き続き、これ書いた人は女が嫌いなおんなの人なんだろうか。ちなみにタイトル「6、りろんてきせんそう」。


 そして、携帯をとりあげる。

 まずはスマホゲームね。例のまことわさんがシナリオ書いてる奴の他にも、カードゲーは4つくらいあるし音ゲーは2つ、わりとこまめにやってるから。

 所謂無課金ガチ勢ってやつですよ。

 そして、そこまでして、休憩。
 LINEを開く。
 そんなものは1番優先順位低いよ。自分一人の趣味の時間が1番大切なんだ。

 と、LINE通知、十数。
 なんか小田と中本話してたらしいな。
 既読つけるだけつけて、読まずにクローズ。他にも幾つかグループは同じ様にして、通知を消して行く。

 はたり。
 ひとつ、見慣れない、もの。
 個人LINEは個人なんだけど。珍しいことでは無いんだけど。

 でも、名前が珍しくて。

 "いしまきゆうや"

 友人に追加されているはずのないその男の名前のアカウントからは「今日図書室で会った石巻です。すこし、お話したくて、」と発せられていた。

 ををう。

 大丈夫だ。携帯サイレントにしていたけど、来てからまだそんなに時間が経っているわけではない。

 人見知りだから、慣れない人のLINEの時間はとても気にする。

 仲良い人だともう暗黙の了解にしてくれてる人が多いから、そんな気にしないけど。


 とりあえず、もちろん、大歓迎ですよ的なことをそれなりに返しておく。

 返信はすぐに来た。

 あ、もしかしてマメなひとか。


「よかった。いきなりでごめんね。」
「でも、図書室つかう女子とか初めてだったから」

 なんだかおっとりしてそうな子ですね。爽やか系イケメンなのに。

 系統的にはオミをもう少し柔らかい雰囲気にしたかんじ。黒髪おっとりゆるキャラ的な?

 なんだかいろいろ言ってくることにそれなりに当たり障りなく返して行く。

 同じ作家さんが好きな様だ。

「それでー、」
「ああ、へえ。あの新刊っていしまきくんが注文したから入ってたんだー!」
「うんー」


 私はべつに読書家というわけでも活字中毒というわけでもない。
 ただ趣味が、息抜きと自由時間の使い方が、本かもしくはサイトの小説を読む、になっているだけで。

 どちらかといえば、本よりもサイトの小説読んでるほうが多いし、漫画も結構な量読むから。


 そう。
 だから、単純に読書家というわけでもない私と、それでもいしまきくんは話を続けた。

 なんでかって、私もいしまきくんもジャ○プが大好きだからです。模範解答だね。

 そうだよ、漫画も漫画。少年週間ジ○ンプが1番好きだよ。漫画では。

 ということで、延々と漫画の話をしていた。


 いしまきくんがこのキャラとこのキャラのコンビがとても好きで、この2人はこんな会話してたらいいよね、とか、そういうネタの振り方をしてくれるので、こちらとしてもとても話しやすい。楽しい。
 私も、小説や漫画の本編が終わった後の登場人物たちを考えたりそういうのがすごい好きなんだ。
 ほら、自分で小説とかかこうかって思うくらいだし。

 しかも、相手も私も返信はムラありまくり。そんな感じが、気を使わなくてとてもいい。

 結局、その日は私が風呂に入るまでスローペースでLINEがつづいた。



 ――――ただちょっと不穏な感じがするのは、私だけかな。私が男毛嫌いしすぎなのかな、なんてことは、必死に気に留めない様にして。






「ねえ、弥蜂さんの世界の全てを知りたいな」


 って、いうのは、とても詩的で抽象的で良い表現でロマンチックだとは思うけれど、でも、まだであって初日、LINEでしかほぼ会話していないようなただのクラスメイトに贈るには、少々、重すぎる言葉では、無いだろうか―――――?


#04 end,



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