そんなこんなで新学期に相応しいだけのイベントを終えてようやく気の抜ける奴らとコーヒーショップ。
ってかド○ールな。
全員やはりそれなりに疲れたらしくはじめは言葉数も少なく、疲労MAXでサンドイッチ的なアレを食す。
生ハムうめえ。
いやあ、いかんね、疲れると口が悪くなるわ。
「てか聞いてー。バイト先でさあー」
唯一この中でバイト民な友人、小田が言う。
「なんかー、その塩田くんは私のこと好きだったらしくてー、いっきなり大崎ともめはじめてさー」
………あ、一緒。
昨日よんだ本当おんなじ。
喫茶店で、ひたすら私ビッチですじまん。まあ、それらしい雰囲気あったしなあ。
なんかー、なんとかくんとなんとかくんがーって。ちょいちょいあからさまに挟んできてたし。
「へえー」
うちは興味も無いし適当にコーヒーをすする。うまいねえ、カフェイン。
「あー、もう大崎切ろうかなあー。塩田くんに割れたらこのまま、ってのも無理だろうしー。大崎すぐ言うからなあー。塩田くんは口硬いからいいとして…」
「ふーん。」
「はよきれはよきれw」
もう1人の友人中本は負けじと自分もそれなりに男経験あるんだからねっと言わんばかりのアピール。
まあひねくれたうちは、逆に"彼氏なんていたことないし必要ない"みたいな感じになってるし。キャラかぶりをしてはいけない気がしたんだ。
なんだろうねえ。なんでうちらって3人、ちょうお互いのこと敵対ししててちょうはりあってるのに一緒にいるんだろう。
わけ分からんわ。
「そーゆー男ってやめといた方がいいよー。大体うっざいじゃん」
「やっぱりそう?んー、でも財布ゆるくて良かったんだよなーっ」
なんて、ビッチぶってるけどただのオタクどもだからね。2人とも。てか、3人とも。ちょっと見栄張ってるだけだからね。楽しいね、必死に背伸び。笑ってしまいそうだ。
クラスのおとなしいのとオタクが混ざったようなグループの人間ですよ。全員。
「そういやさあー」
飽きたので聞いてみる。
「公立高校なのに転入とかって出来んのかね」
「えー、知らない。出来るんじゃ無い?」
「なんで?いたの?」
「なんか、うちのクラスそれっぽいの2人くらいいたっぽい」
「うそ!」
「まじ。だって糸由サクっ子ていなかったでしょ?」
「あー、しんね」
「私もー」
「2人がしらんかつ、うちもしらんねんから多分本当の転校生だよね」
「まじかあ!いいなあ!みたい!」
「こんど覚えてたら紹介するよ」
なんて、ぐだぐだ。
存分に駄弁っても帰ってまだ夕方の範囲内。素晴らしいね、午前中のみ。
うたちは帰ってすぐにまた、布団に入って昨日の本を広げた。
#02 end,