わたしのしょうらいのゆめは、かなめちゃんのおよめさんになることです。


かなめちゃんは、わたしのおさななじみです。わたしとかなめちゃんは、ずっとなかよしです。わたしは、かわいくて、とってもやさしいかなめちゃんが、だいすきです。


ずっと、ずっと、かなめちゃんといっしょにいたいです。







「おはよー!!要ちゃーん!!!」
「…あー、なんだ幸かあ」
「要ちゃん!今日もかわいいね!」
「あははー、幸は相変わらず可哀相だねー」
「痛いっ!!!!!なんで殴るの要ちゃん」
「胸に手を当てて、よく考えてごらんよ」
「…うん!ちっさい!!」
「胸の大きさを考えるんじゃないよ」
「要ちゃんはいつでもかわいいよ」
「……」
「うがあー!痛いよー要ちゃんー」


幼馴染の要ちゃんはかわいいのに暴力的である。こんなにかわいいというのに。こんなに。それから、要ちゃんは痛がるわたしを放置してスタスタと歩いていくので、あわてて追いかけた。


「要ちゃん、今日から高校生だね!制服、とても似合ってるよー!」
「うん、あたりまえだよね」
「ただ、スカートじゃないのが残念だよね!」
「そう、幸はそんなにぼっこぼこにされたいんだねえー?」
「のーせんきう!!」


はあ、と要ちゃんはひどく疲れた顔をしてため息をついた。要ちゃんはよくわたしに怒るけど、実際にぼっこぼこにされたことはちょっとしかない!何回かはあるってことが容赦ないよね。わたし一応女の子なんだけどなあああ、要ちゃんのかわいさには負けるけど!


「あ!!!見て見てー!要ちゃん!同じクラスだよ!」
「うわー、最悪だなー」
「今年もよろしくね要ちゃん!!」
「はいはい」


どんなに邪険に扱っても、何度殴られたとしても、わたしは要ちゃんがずっと大好きです。その困った顔がかわいくて、そしてかっこよくてしかたないです。だからどうか、これからもわたしに困らされていてね!


それを終わりと呼ばないで


120404