もしもお前がおれを本当にあいしていたなら、



「お前が好きだと言った、俺の故郷の酒だ」



たとえば、おれを信じてすべて託したなら、



「沁みるかもしれねェが、上等なやつ用意してやったんだから我慢しろ」


おれの夢のその先を信じていてくれていたのなら、


「…なあ、エコ」


お前の最後の言葉が本当にうそではないのなら、


「お前の夢は俺が叶えてやる」


――おれが愛した、お前に。


「お前の叶わなかった夢は、俺が海賊王になって叶えてやるから」


お前がおれを選んだことは、幸か不幸かは分からねェが、それでもおれは、お前を忘れないから。


「だから、それまで」


あの場所にお前が帰るまでは。
――お前が、勝つまでは。



「せいぜいゆっくり茶でも飲んでろクソババア」


さよならは言わない。



「――おやすみ、エコ」


ずっとこんなふうに


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