「さて、本題に移ろうか。お前たちの意見をそれぞれ言え」
「B!いや、あの慎ましさはマジのAカップか…?!」
「…見た感じは普通より少し小さいくらいですよね」
「黒ちんもう諦めたの?あ、俺はCだと思うよ」


「ハア?Cもねぇよ絶対!」と俺が紫原に抗議するが、紫原はどうやら撤回するつもりはないらしい。いや、ねえわ。絶対そこまでねぇわ。


「それで、赤司くんはどう思うんですか?」
「俺か?よくぞ聞いてくれたな、黒子」


赤司は何故か満足げに微笑んで勿体ぶり出した。そんな赤司をテツがはよ言えやコラァって感じの目で見ていたが、赤司は目を閉じてるから見えてねえらしい。お前、腕組んで肯いてる場合じゃねえよ。最近俺らの切り札(シックスマン)がまじ怖いんだけど。


「俺は、上柿はDカップだと踏んでいる!!!」


赤司がそう高らかに宣言して一瞬しーんとなったが、すぐに気を取り直して俺は抗議した。いやいやそんなあるわけーだろ!!!上柿だぞ上柿!!!


「ねえわ!!!!上柿がおっぱいそんなあるわけねえだろおおお!!?」
『ほお…?誰の胸がないって?』
「あ?上柿の話してんだから上柿の…」


は?い、いやいやいやいやいや!!落ち着け青峰大輝!!!お前の背後から聞こえたその声は断じて上柿じゃない!上柿であるはずがねえ!!仮に上柿だったとして、それなんて死亡フラグ……!


『ふむふむ、青峰はそんなに死にたいのかなあ?』
「うがああああ!!!上柿!!落ち着け、落ち着けってー!!!」
『しねえええ、青峰ええええっ!!!くそがあああ!!』
「落ち着け上柿ー!!……ぎゃああああー!!!」
『ふははっは!!!ザマア!』


えええええええ!!!!なんなの、あいつほんとなんなの!なんであんな見事にドロップキックがキメられるんだよおお!!!くっそいってえんだけど、まじいってえんだけど!ていうか、こいつらみんな俺を売りやがったな!!!


「なんで俺だけなんだよ!ふっざけんな!!」
『あんたが一番失礼だったから』
「見事な技だったな、あまりに鮮やかだったから思わず瞬きを忘れていた」
『赤司、ありがと』


なに、なんなの。何赤司にはにこやかに笑いかけてんだよオイ。確かに主犯は俺だ。最初に言い出したのも俺だ。でも途中から完全に先導してたの赤司だからな?二度言うけど、一番ノリノリだったのむしろ赤司だからな?それなのになんで俺がこんな目に合わなきゃなんねーんだよオイ。あいつなんであんな強えの?あんな見事なドロップキックキメられる中学生女子とかお前くらいしかいねえよ。この俺が吹っ飛んで起き上がれないとかもう、お前ほんとそれどうなんだよ。


「…ふむ」
『え、何、赤司。どこ見てんの、見すぎ』
「うなれ、俺の左目…!」
『え、何こいつ、大丈夫なの』
「いやもう正直手遅れです、抜け出せないところまで来ていますね」
「俺は赤ちんが楽しいならなんでもいいけどね」
「上柿、お前はDカップだな」
『えっ』


はああ?なにあいつ、なんか上柿のこと凝視してると思ったら涼しい顔しておっぱい見てたのかよ!赤司おまえどんだけ…!!


「おいいい!赤司、まじかよ!!」
「当たり前だ、俺はすべて正しいのだから。上柿の胸の大きさを見破ることなど他愛もない!」
「もうだめだこの人」
「赤ちんの悪ノリもいくとこまで来たね」
『ていうか赤司、あんたエンペラーアイの無駄遣いやめて、本当にやめて』
「ふううう!お前案外着やせするタイプだったんだな!」
『え、いや、まあ、うん?』
「っふ、どうやら正解を引き当ててしまったようだな」


赤司すげえええええ!エンペラーアイの使い道、極限間違ってる上に勿体ないにもほどがあるけどまじすげえええええ!!!俺、赤司のこと初めて尊敬したわー、やべえわー。めちゃくちゃ満足げな赤司がすげえうれしそうなんだけど、「俺すごすぎやばいオーラ」めちゃくちゃだしてんだけど。なにこいつ。お前、最近本当楽しく生きてるんだな。


「上柿さんも赤司くんには怒らないんですね」
『赤司にわたしのプロレス技通じないんだもん』
「お前ごときが俺を倒せる器ではないからな」
「器って言いたいだけでしょ赤ちん」
『あと、なんかあまりにも楽しそうだからまあいいかなって、つい』
「おい!なんだその不公平はよお!」
『黙れ、青峰、しゃべんな』
「何その黄瀬みたいな扱い!」


まじなんなの、黄瀬みたいな扱いとか屈辱的過ぎて俺のプライドがやばい。つっても、上柿の言いたいことも分からんでもねーんだわな。だって、赤司が、あの赤司がすっげえええ楽しそうなの見ると色んな意味で邪魔しちゃいけねえ気がすんだよなまじで。悪ノリも一周回ってほんとに楽しんでやがるから、上柿もつい赤司には甘くなっちまうんだろうけど。ていうかそれにしても俺には理不尽すぎだぞてめえ!


『ところで、緑間と黄瀬は?』
「黄瀬くんはトイレに泣きに行きました。緑間くんは途中胃を抑えながら保健室に向かったと思われます」
『なにそれ、可哀相』
「そんな弱くてあいつらは大丈夫なのか」
「もうツッコミませんよボク」
「赤司がいろんな意味でやばい」




続・赤司の悪ノリがひどい
130117
「おっぱい担当になれるのは、俺だけだ!」
『悪ノリ赤司が、全部持っていきますけどね』