小ねた
2013/09/01 11:42

※高2くらい
※ぐだくだとただイチャイチャ会話するだけの話
※勝手に黄瀬や緑間のフラグ立ててる(別口で書くかも、みたいな)


今日の部活もなかなかハードだった。珍しく早かったお母さんが作ってくれたほかほかの晩ごはんをいただいて、一番風呂をさせてもらった。ほかっほかで気持ちいい〜。まだ夜九時半を回ったばかりなのに眠ってしまいそうだったのを堪えて、既に日課になっている征ちゃんにお疲れさまメールを送る。晩ごはんとお風呂が終わったらどちらかともなく送る約束なので、まだ征ちゃんから特に来ていないということはまだお風呂中なのかもな〜と思いつつ、メールを送った。私のほうが実は不精だったりするので、たまに忘れて送らなかったり返事をしなかったりすると、直接言いはしないが征ちゃんはとても寂しそうな不満そうなかんじになるから厄介なんだよな。女子か、征ちゃん。

「……征ちゃんってば寂しがりだからなあ」

なんて、うれしく思いつつ苦笑する。征ちゃんってばかわいいんだよね、みんなは怖い怖いって言うけど。具体的には何も語らないけれど、京都で単身一人暮らしってやっぱり少し寂しいのだろう。たまにとても懐かしそうに中学時代の友人たちとの思い出話を述懐する征ちゃんの表情はやっぱりいつ見ても切なく思う。……征ちゃんが変わってまで守りたかった栄光とか、守れなかった色んな約束とか。

「お!」

10分くらいして返事が帰ってきたのでさっそく。お疲れさまとの返しのあとにはうれしい提案が入っていて思わずほころぶ。

「スカ○プできるー!やったー!」

電話やメールも好きだけど、やっぱりビデオ通話が至高ですよね!!声だけでなく表情も見れるし、何より無料ですし。遠距離の味方!!いざ!マイパソコン起動ー!!と無駄にテンション高くスイッチを押す。起動すると征ちゃんは既にログインしていたので、とりあえずビデオ通話のボタンをクリックして掛けてみた。ら、すぐに出てくれた。

『はーい』
「はーい征ちゃん!わたしです、好きです!こんばんはー!」
『っふ。はい、僕のほうは大好きです、こんばんはー』
「ノってくれてありがとう!私も大好き!あ、あと本日もお疲れさまです」
『うん。ありがとう。きみもお疲れさま』
「征ちゃんにそう言ってもらえるだけで疲れがぶっ飛びました、めるしー」
『ふふ、僕はきみを抱き締めてキスして押し倒してキスしたくなりました、謝謝』
「キスが2回ありましたが」
『別に間違いじゃないよ。まあ、実際2回では終わらないけどね』
「……えー。ていうか征ちゃん、前髪伸びたねー。私もだけど」
『ああ、最近鬱陶しくて仕方がない。また切ろうかな』
「もう二度とセルフ散髪はやめてください。ていうかせめて鏡見て」
『……ごめんごめん。もうしないよ、さすがに。あ、そういえばこの前涼太に会ったって本当かい?』
「えっ……ああ、一昨日ねぇ。そういえば黄瀬くんってばかわいい女の子と一緒だったー」
『ふーん。そうか……無駄な煽りをしてきただけか。あいつも人のこと言えないではないか』
「?あ、あと先週緑くんにも会ったよ、相変わらずツンデレだったから、撲殺はだめですよって言ったら顔真っ赤にして怒られたー。激おこプンプン丸」
『あはは!ツンデレ撲殺事件(※中1緑間さんが初恋の君に間違ったツンデレ発揮した騒動の通称、のつもり。そのうち短編書くかもしれないネタ)か……また懐かしいものを出してきたね。ところで真太郎はあの人にちゃんと告白できたのかな』
「さあ〜。続報を全く聞かないからなあ。また熱心に片想いしてらっしゃるのかしら」
『どうかな。くっついてないだけで既に両想いだったりしてね』
「そういえばテツくんにリア充しねって今日言われたんだけど、テツくん最近ご機嫌ななめなのかな」
『……ああ。今までの仕返しにノロケて煽ってるからな。じわじわ効いているみたいでよかった』
「ノロケ?征ちゃん何言ったの……?」
『ふふ、内緒』
「えー!」
『そうだな、要約するときみがかわいすぎて頭おかしくなりそうってとこかな?』
「あ、頭!?」
『好きだよ、とても。早く会いたい』
「……うう…征ちゃんは意地悪だな……私も早く会って征ちゃんに抱きついてすりすりしたい!大好き!」
『僕はすりすりじゃ終わらないけどね』
「え?」
『おっと、何でもないよ』
「……なにその笑顔」
『うん?僕も健全ってことかな』
「………ぐ」
『……かわいい顔しないでよ、会いに行きたくなる』
「……………次いつ会える?」
『明日』
「えっ!?」
『なんか僕の方が我慢できなくなってきた。早くきみに触りたくて堪らない』
「え、でも部活は?」
『明日は午前だけなんだ。だから終わったらすぐそっちに行って朝一番に帰れば大丈夫だ』
「ええっ?あ、私も午前だけだけど。いや、本気なの征ちゃん?」
『僕の言うことは?』
「ぜったーい……じゃなくて!」
『覚悟してね。いっぱいいっぱいキスしてやるから』
「じ、上等だよ!」
『ふふ、言ったね?……じゃあそろそろ切る?もう遅いし』
「……うん」
『……はは、いつも切る時寂しそうな顔をするよね』
「だって、名残惜しいっていうか」
『僕も切りたくないけどね』
「征ちゃんが切って!」
『嫌だよ。たまにはきみが切ってよ』
「……なかなか押せないんだよ」
『明日会えるじゃないか』
「わかってるけど。……いつもこの瞬間がいや」
『僕もだ』
「お願い征ちゃんが切って」
『……仕方ないな。その代わり、明日はきみのほうからキスしてね。またメールするよ、おやすみ』
「ふぁ!?ちょ、ちょ!征ちゃんなにそれ……!!って切れてるー!!」




「僕も、嫌なんだけどね」

既に切れている通話にいつも名残惜しく思う。僕のほうこそなかなか切れないんだけどな。それでも僕の方が先に切るのは、切ってもらったあとのツーツーって音が嫌だから。……余計に寂しくなるじゃないか。

「……やっぱり来た」

征ちゃんのバカ覚悟しろよな大好きだおやすみー!

「改行しないのはわざとかな」

メール画面を閉じ、アラームを設定してから、眠る準備をする。明日は、本当は別のことをするつもりだったけど。どうしようもなく会いたくなったんだから仕方がない。ああ、早く明日の午後にならないかな。早く彼女に会って抱き締めたいな。ちゃんと直接好きだといいたい。


きっと誰かにこの脳内を覗かれたなら、女々しいと笑われてしまうだろうな。