小ねた
2013/08/27 15:13

※高1春(まだケンカ中)


高校に入学してから1ヶ月と少し。この間に来たテツヤからの報告まとめ。

『一昨日千加さんが男子バスケ部のマネージャーになりました。さっそく先輩たちからかわいがられています』
『今日千加さんが同じ一年部員に頭を撫で撫でされていました。千加さんは驚きつつも、まるで恋人に対してかと錯覚するくらい照れに照れていました』
『さっそく千加さんはかわいいと男子たちの間で噂になってます。今日彼氏はいるのだろうかとボクと同じクラスの男子に詮索されました』
『今日千加さんがよろけてしまい、うっかりうちのエース部員の火神くんに抱きつくような形になっちゃってました』


「………」

今日の部活中、イライラしてたら気付いたら僕にディフェンスについていた小太郎が半泣きだった。しまった、無意識に本気出してたらしい。「……今日の赤司ってばなんかめっちゃこええぇ!!」と奇声を発していた小太郎に反省はどこへやらでまたイライラして睨んでしまった。何やってるんだ僕は。まったく大人げない。(そういえば小太郎の方が年上だった。)

「……もしもし、テツヤか」

さすがにこのままでは埒が明かないので、部活後にさっそくテツヤに苦情を入れた。

『ああ、お久しぶりですね。赤司くん』
「………久しぶり。ところでなんなんだあれは」
『あれ……ああ、千加さんの近況報告ですね。彼女もなんとかやっていますよ』
「…頼んでいない。そもそも、なんだあれは!男のことばっかりじゃないか。なんなの、嫌がらせか」
『さすが赤司くん。解ってるんじゃないですか』
「……相変わらずお前は質が悪い…」
『キミは相変わらず強情なようですね。あっ、そういえば今日の報告がまだでした。今日はですね〜、なんと千加さんがついに告白されたらしくてですね〜。しかも相手の男子の雰囲気がなんだか少し赤司くんに似てたらしく、千加さんも今回ばかりは少しグラッと来たみたいですよ〜』
「……………」
『笑った顔の雰囲気があんまり似てるもんだから、思わず抱きつきそうになった〜って千加さんがはにかんでいましたよ〜』
「………テツヤ、殺す!」
『ボクを殺してどうするんですか。ボクがいなくなったら悪い虫をおっ払う役目がいなくなって、赤司くんがうかうかしている間に、キミが今まで大事に大事にしていたかわいいかわいい愛しの千加さんがどこの馬の骨かもわからないその辺の男に盗られてしまうかもしれませんね〜。あ〜あ、どうします赤司くん?』
「………」

泣いちゃいます?ついに泣いちゃいます?嫉妬に狂ってついに赤司くんも泣いちゃいます?とひたすら煽ってくるテツヤの声を聞きながら、僕は思わず拳を握り締め、歯軋りをしていた。

「……引き続き見張りを頼む」
『仕方ないから引き受けてやりますよ』

でも無駄に煽ってくるのはやめてほしい。



さっさと仲直りしやがれバカップルと業を煮やしているテツヤさんの怒りの煽り