小ねた
2013/08/22 23:16

「おいしー!!!」

太陽なような笑顔を浮かべているこの子の名は涼太くんというらしい。

「はい、確かにおいしいです。本当にありがとうございます、名字さん」

そして淡く微笑むお隣さんのフルネームは黒子テツヤさんというそうだ。

「ありがとうございますー」
「かあさんみたいにおいしいっす!!くろこっちと大違い!」
「黙りなさい、涼太くん」
「くろこっちが怒ってもこわくないもーん!」

あの後、私はついうっかりお隣さんと見知らぬ男の子に話しかけてしまい、挨拶程度しか交わしたことのなかったお隣さんからは案の定訝しげな視線をもらったが、私の方も事情を離したら、迷った末にしぶしぶ承諾してくれた。涼太くんはものすごくうれしそうだった。

「お口にあったみたいでよかったです」

涼太くんのお母さんはどうやら料理好きな方らしいので、私なんかの大雑把料理で大丈夫だろうかと心配もしたけれど、どうやらお口にあったようで安心する。最近のインスタント類や冷凍食品は本当においしいものもたくさんあるけれど、それでも手料理に慣れている人にとってはやはり手料理とインスタントではなんとなく違いを感じ取ってしまうことがある。私もどっちかとういうとそうなので、普段手料理ばかりを口にしているらしい涼太くんが飽き飽きしてしまうのも分かる気がするのだ。こんな小さい子にはやはりなんだかんだちゃんと作ったものを食べさせた方がいいと思う……なんていうのは古い考えかもしれないが。

「いやー、ついついたくさん作りすぎちゃうので食べていただいてむしろ助かりました〜」
「ご兄弟が多かったんですよね?中学生の頃からご家族分を作り続けていたなんてご立派ですね、道理でおいしいはずです」
「はい、おかげでなんか一人前とかどうしても作れなくて困ってたんですよー。つい多くなっちゃって」

そうそう、そもそもわざわざ私が他人のこの二人を誘ったのは、涼太くんがごねていたのを見て少し不憫に思ったということもあるが、ただ単に作りすぎてしまって余っていたからよかったら、というお人好しプラス勿体ない精神が働いたためだ。でなければよく知らないお隣さん及び謎の男の子に手料理なんてリスキーなものをわざわざ押し付けることはあり得ないだろう。別に断られてもよかったし、むしろ断られて当たり前だと思っていた。つまり、本当になんとなく言ってみただけだったのだ。

「ねぇねぇ!なまえっち!」
「なまえ……っち?」
「すみません、この子は気に入った相手には〜っちを付けるんですよ」
「……なまえっち、いや…?(うるうる)」
「(……なんだこの子、クソあざとい…)ううん、いやじゃないよ?それで、なあに、涼太くん」
「あしたも、ごはんつくってほしい!!!」
「え?」

無邪気な満面の笑みを見せる涼太くんにどうやらすっかり気に入られてしまったこと自覚する。ぱちくりと目を見開く私を尻目に、涼太くんは子どもらしい小さな手で割りばしを器用に操りながらうれしそうにご飯を頬張っていた。ちなみに、今日のメニューは白米、ハンバーグ(玉ねぎと茸たっぷりデミグラスソースがけ)、サラダ、野菜たっぷりコンソメスープ(たまご入り)、梅きゅうり(←塩揉み、朝の残りなのは秘密である)、そしてデザートにはプリンを冷蔵庫に用意している。何があれって、家族分6人前を作るのが癖になっている私は買い物からしてつい買いすぎてしまう。たとえ控え目にはしていても、なんだかんだ多くなってしまうのだ。

「明日はね、鮭のムニエルのつもりだけど、食べに来る?」
「ほんとっ!?わあい!うれしいっすぅー!!」
「こら。何図々しいこと言ってるんですかキミは」
「くろこっちにはきいてないも〜ん!なまえっちにきいてるんだも〜ん」
「いい加減にしなさい、クソガキ」
「あ〜!くろこっち、せんせーなのにそんなこといっちゃいけないんすよっ!!園長せんせーにチクっちゃおうかな〜!」
「キミに対しては先生以前に叔父ですから問題ありません。……すみません、名字さん。うちの子がとんだ失礼を」
「いえいえ〜!私は別に構わないですよ。それに一人で食べるより、誰かにおいしく食べてもらえるほうが、何倍も何倍もうれしいですから」
「じゃあ朝ごはんもいっしょにたべよ!ねっ、なまえっち!」
「いい加減にしないとイグナイトしますよ」

黒子さんが謎のイグナイトという単語を何やら黒い笑顔で口にした瞬間、ぴっ!と何やら奇声を発した涼太くんは急に青い顔になった。真っ青な顔をしながら、小さな紅葉のようなかわいらしい両手で口元を塞ぐ様子は、何故そんな怯えているのかは謎だがとってもかわいらしかった。……それにしてもイグナイトってなんなんだろ。

「名字さん」
「はい?」
「ごちそうさまでした、とてもおいしかったです」

そう言って、ふわりと微笑む黒子さんはとっても素敵だった。保育士だとは言っていたが、それにしてもずいぶんやさしい顔で笑うひとだなぁ、とつい見とれてしまった。……お隣さんは、本当はどんな人なのだろう。私は彼のやさしい笑顔を見て、初めて隣に住むただの隣人であったはずの黒子さんに興味を持った。


せんせーと甥っ子と女子大生 2



うまく書けない!適当!小学生トリオ早く出したいぃ……(笑)

赤「しんたろー!ぼくの出番はまだかー!」
緑「しらんのだよ!イライラするからといって、人のランドセルをサンドバッグにするな、あかし!」
紫「おなかすいた〜!コンビニでおかし買ってくる〜」
緑「買い食いは禁止なのだよ、むらさきばら!!」
赤「どうせなら箱アイス買おうよ、あつし」
紫「おっけー赤ちん!!」
緑「あかしぃいいい!!」


青「おれ、5歳!おおきくなったら、本気のテツとバスケするのがゆめだ!!」
桃「わたし、5歳!おおきくなったら、テツくんのおよめさんになって毎朝おいしいお味噌汁をつくってあげることがゆめ!」
青「さつき、そりゃ100パーむりだ。けっこんはともかく、うめぇもんをおまえが作れるようになるのはむりだ」
桃「なによだいちゃんのばかぁ!」

以上、おまけ