小ねた
2013/07/19 01:24

「赤司くん」
「なんだ黒子」
「苗字さんと付き合っているんですか」
「……いや?」
「それにしてはずいぶんお気に入りのようですね」
「そうだな。あいつは俺が好きらしいからな」
「自分で言いますか。……告白されたら付き合うつもりですか」
「……どうだかな。少なくともお前には関係のないことだ」
「へえ?ボクがなまえちゃんを好きだと言っても?」
「……気安くあいつを名前で呼ぶな」
「うるさい人ですね。あの子とは昔馴染みなんですよ」
「そうか。だがあいつは俺のだが?」
「よくそんなこと言えますね、軽蔑していいですか?」
「勝手にすればいいさ。――俺は俺のしたいようにするだけだ」
「……そう、ですか。じゃあとりあえず軽蔑はしておきますね」
「ふ、とりあえずで軽蔑するのかお前は」
「そうですね。……でも、赤司くんのその手段を選ばない一途さ、とでもいいますか。そこは正直少し尊敬はしています」
「……珍しいことを聞いたな。明日は雪が降るな」
「とはいえ、彼女を泣かしたら許しませんからね」
「それは無理な相談だな。俺はあいつの泣き顔が好きだからね」
「…………そう言っていられるうちはシアワセなのかもしれないですね」
「…は?」
「いいえ、何でもありません」