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「#幼馴染」のBL小説を読む
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小ネタ
2013/06/21 07:26

「お帰りなさい征ちゃん!!」
「ただいま、千加」

いつものようにお帰りのキスを征ちゃんのつやつやぷるぷるの頬っぺたにほどこす。と、なにやらにっこり笑った征ちゃんは、私の唇に噛みつくようにキスをした。啄むようなキスのあと、やがて舌を絡ませるような濃厚なやつに移行した。身体の力が抜けかけている私を支えるように、征ちゃんのたくましい両の腕が私の腰へと滑る。大好きな、征ちゃん。

「……なんなの今日は」
「なんていうか、帰ってきみの顔見たら欲情した」
「全然わからないよ!」
「ふふ、いやあのね。今日帰ってくるとき街でとても仲良さげなカップルを見かけたんだよ」
「え、うん?」
「なんかさ、腕組んでるよりも手を繋いで幸せそうに笑ってるカップルのほうが、羨ましく思うよね」
「あーわかるわかる」

高校のきみとまだ仲違いしてた頃は、そんなカップル見たらめちゃくちゃイラッとしてたなぁーなんて遠い目で苦笑する征ちゃん。我ながら当時は千加不足で欲求不満だったよ、と言って私の首筋を撫でる征ちゃんが、なんだかとてもくすぐったい。……ああ、いとおしいなあ。

「幸せそうなカップル見たら、なんだかイラッとするどころか、無性にきみが恋しくてね。すっとんで帰って来たんだ」
「…ふふ、事故はしなかったですか?大好きな私の旦那さま」
「はい、何事ともなかったですよ、いとしい僕の奥さん」

ふたりでくすくす笑いながら、どうしようもない愛しさと幸福にありがとうをこぼす。ああ、なんて、幸せ。大好きな、征ちゃん。ずっとずっと大好きな、私だけの征ちゃん。

「ただいま」

そうして私のお腹を撫でる征ちゃんの瞳はとてもやさしい。ずいぶん大きくなったお腹は、我が子が健やかに日に日に成長している証だ。もうすぐ、会えるんだ。私と征ちゃんの血を分けた、いとおしい我が子と。

「…僕は、幸せだ」

そうやってはにかむ征ちゃんは、こどもみたいに無邪気で、愛らしく、健やかで、とてもやさしく、やわらかだった。


「全てに勝つ僕は全て正しい」
勝利を語った唇は、今や愛と幸福と安寧に、ほころぶ。


「さあ、ご飯にしよう」

温かな食卓は今日も笑顔だ。





幸せな夫婦になれよ!あと数ヶ月したら長男が加わるわけですが。ふたりだけの時間をめいっぱい堪能してくれ、次は二、三十年後ふたりがおじいちゃんおばあちゃんになる頃だから。

孫ができておじいちゃんおばあちゃんになっても、いくつになっても、きっとずっと仲良しだろうなぁ。こどもや孫の前ではそれなりに配慮するけど、いつまでも征ちゃんさんには嫁を名前で呼んであげてほしい。征ちゃんさんは年を取ろうと、こどもができようと、初恋をずっと大切にしてるイメージだから、中身はいつまでも大好きな女の子に恋する少年だろうなと思います。一途で純粋なんだと思います。曾孫が呆れるくらい、「修羅」夫婦にはいつまでも仲良し夫婦でいてほしいです。


強くて脆くて、まっすぐで一途で、やさしいやさしい赤司くんに、一生涯ずーっとずーっと、みんなが呆れるくらい愛し愛される人生を!