小ねた
2013/08/20 08:54

人物設定
・名字なまえ(20)
料理好きな女子大生、黒子さんとはお隣で軽い挨拶くらいをやる程度の仲

・黒子テツヤ(24)
保育士。料理がゆで玉子くらいしかできない、他の家事はわりと得意。姉の息子で甥っ子かつ勤め先の保育園の園児である涼太くん(5)を一か月弱預かることになりあたふたしていたところで、なまえと関わるようになる。保育園では人気のせんせーで涼太くんにも叔父というよりどっちかというとせんせーとしてなつかれている。

・黄瀬涼太(5)
将来有望なイケメン園児。ただし中身は普通の子ども。叔父だけど黒子のことはくろこっちと呼んでいる、どうやらもっと幼い時に「テツヤ」と発音できなかった模様。何故かたまに体育会系のしゃべり。なまえになつく。おともだちは大輝くん(5)とその幼なじみのさつきちゃん(5)。大輝くんにはパシり扱いされている、さつきちゃんとはテツヤせんせーを取り合う仲。

その他
・赤司征十郎(8)、緑間真太郎(8)、紫原敦(8)
近所に住む仲良し小学生三人組。公園にて涼太くんを通して偶然知り合う。前二人の精神年齢が高すぎて、なんだかなまえの茶飲み友達的な仲である。※赤司の口調は高校寄り


こんなかんじ。




「くろこっちいいぃぃ!!今日もインスタントとかおれいやだ!」

ふと、偶然にもお隣さんと帰宅時間がかぶってしまい、珍しく子連れだったお隣の黒子さんを窺う。私はちょうど鍵を開けてノブを引いたところだったが、大量の買い物をしてきたらしいお隣さんは鍵を開けるのに手間取っているようだった。仕事疲れなのか、ひどく疲れた表情で、彼の裾を引っ張っている五歳くらいの男の子をたしなめていた。

「近所迷惑ですから少し静かにしてください。それと、我慢してください。本当に申し訳ないですが、ボクは正直なところ料理がゆで玉子くらいしかできないんです」
「ゆで玉子もたべあきたっす!」
「うちにいる間くらいはお願いですから我慢してください」
「えええええ!!」

お隣さん……お料理苦手なのか。と特にどうということもない情報を知ってしまった。くろこっち、と呼び掛けていたあたり、あのイケメン幼児はお隣さんの子というわけではないようだ。いや、そんなことより、あの子、またインスタントと言っていなかったか?もしかして、また、ということはここ数日ずっとそうだったということか?姿を見たのは今が初めてであるが、そういえば三、四日前からお隣からなにやら子どもの声が聞こえてきたので、そのあたりからもしかしてあの子はいらっしゃっていたのかな、とつい詮索してしまう自分に嫌気が差しながら、お隣のお部屋に入ろうとしていた彼らに話しかけた。

「……あの、よかったらハンバーグいかがですか?」

驚いた表情を浮かべているお隣さんと、きらっきらした表情を浮かべた男の子。

「たべたいっす!!」

それが私たちの始まりでした。


幸福の一か月