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小ねた
2013/06/15 01:34

「パパー」
「なんだい伊織」
「パパはママのどこがすきで結婚したの?」
「え、全部だが?」
「……へぇ」
「…たまに思うんだが、お前本当に時々テツヤと同じ顔をするよな」
「テツヤさんと?それ、うれしい」
「時々本当に僕の子か自信なくなる。髪色が赤でなければ本気で疑うところだよ」
「ぼくはママに似たから必然的にテツヤさんに似ちゃったんだって、清一郎がいってたけどね」
「…ふぅん。あいつが、ね」
「パパ」
「なに、伊織」
「ぼくは確かにテツヤさんがだいすきだし、あこがれだけど、でもパパにもあこがれてるんだ」
「はは……そう」
「うん」
「お前のそういうところ、本当に千加にそっくりだな」
「ふふ!パパは、ママがほんとうにだいすきなんだね?」
「ああ、パパはママも、子どもたちもみんな心から愛しているよ」





「伊織がそんなことを?」
「うん。本当にきみに似てるなって思った」
「清一郎は征ちゃんに似たけどね」
「花は半分半分、かな」
「そうだね」
「うん、ね、千加」
「なあに征ちゃん」
「時々思うんだ、もしもきみと結ばれなかったらこの子たちには会えなかったんだなと。だから今きみがとなりにいることや、子たちが僕らの元に生まれてきてくれたことに、僕は心から感謝しているんだ」
「…わたしも」
「ひととひとの繋がりは絶対ではないから。とても脆いものだから。だから、僕は今、とても幸福に思っている。幼い頃から描き続けた幸せの、家族の形が今、僕の目の前に存在していることが」
「とても、とてもうれしいことだね」
「ああ。……愛しているよ、僕の奥さん」
「うん、私もよ。私の旦那さま!」

はにかむきみに、昔と変わらぬやさしいキスを、送りましょう。



四人目も秒読みかもしれない