小ねた
2013/06/05 04:03
もう一度好きだと言ったら、あなたはなんていうのだろうか。
「愛しているよ」
情事のときのみに囁かれる愛、それに対する「わたしも」という同意。最初に好意を伝えてからは、基本的に会話の流れで言わされたものを除けば、同調以外でこのきもちを赤司くんに伝えたことはほとんどなかったと思う。
「…ほら、舌を出して」
「……んんっ」
深いキス、その甘くやさしい瞳の中にいるのは、わたしなんかじゃなくて。
「ふ、……かわいい」
――あなたが求めてやまない、いとしいあの子。
「…ん…ぁく……ふっ…」
「……っ…うまくなったな」
気持ちよさそうに眉間にしわを寄せた赤司くんが、いい子だ、とわたしの頭をそっと撫でた。好きなひとの艶っぽい様子に無様にもきゅぅん、と間抜けに胸をときめかすわたしは本当にばかだ。
――赤司くん、好きよ。やさしくてひどいあなたが、大好きよ。
「いくよ」
「…ふぁ、……んん!」
心の底でしかこぼすことのできぬ本音を閉じ込めながら、わたしは今日も彼の腕の中、仮初めの愛と共に果てる。
ぼかしてはしょったけど、R15で大丈夫か…?