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小ねた
2013/05/13 13:19

「……」
「……」
「……さっきからなに?テツヤ」
「観察してます」
「は?観察?」
「人間観察、今の対象はキミです」
「なんで。なんも面白いことねーだろ」
「面白いですよ、好きなひとですからね」
「……」
「照れた顔も素敵ですね」
「おい、キスしようとすんな。話は終わってないぞ」
「それは残念です、終わったらしましょう」
「……テツヤ…」
「はい?」
「で、理由はなんぞ?」
「そうですね、不思議に思ったからです。ボクはどうしてキミがこんなに好きなのだろうかと」
「……はぁ、それで?」
「もっと不思議に思ったのは、ボクだけじゃなくどうして中学時代の友人たちみんなが何故かキミに惚れていたことです」
「いやいや、それは言い過ぎ」
「いえ、程度の差はありますが事実、みんなキミが大好きですよ。あの奇人赤司くんでさえもです」
「奇人ってあんた」
「どうして、でしょう?」
「……あのさ」
「はい」
「別に理由なんかないと思う。だって、わたしがあんたを好きな理由もないし。そりゃやさしいとこが好きとか、どこがーってのなら挙げられるけど、でも別にやさしいから好きになったわけじゃないから」
「……」
「だって、あんたが仮にわたしにやさしくないことしても、傷つきはするかもしれないけど、だからと言って嫌いになったりはしないもの」
「……うん」
「だから、そういうことじゃないのか。わたしがあんた含めみんなが大好きなことに理由がないように、みんなにとっても同じだと思う」

いっしょにいると楽しい、ただいるだけでうれしい、そうして少しずつ好意は育つわけで。まあ、一目惚れとかはあるけど。そんなふうに、ひとがひとを好きになるのは自然なことで、そこに恋情が交じるかは場合によりけりだが。それでも、わたしたちが育てた友情を超えたあの繋がりは確かにあったのだ。わたしたちが、大切に大切に育てた、奇跡の繋がり。

「……やっぱりそういうところでしょうかね」
「うん?」
「あーあ」
「なんぞね」
「さて、キスでもしますか」
「おいこら」
「好きですよ、キミが」




またワケわからんくなったー