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小ねた
2013/05/13 02:20

「あのさぁ」
「うん?」
「どうでもいいけど、征十郎さ、なんつー体勢してんの?」
「きみの胸に顔を埋めている」
「おいこら!分かっててやってるのかお前!」
「昔から思ってたけどやわらかいよね、落ち着くよ」
「昔からってあんた」
「中学生の頃はこんなことできなかったけど」
「中学のときにやってたら絶交してるわ!」
「それは困る!しなくてよかったよ」
「したいとは思ってたのか!!」
「うん」
「どや顔すんなこのバカ息子!」
「……ねぇ」
「はい?」
「もう、僕はきみの子じゃないよ。いや、そりゃあ昔も違ったけど」
「はあ?なによ急に」
「ね」
「は?」
「僕は、男だよ。ちゃんと分かってるのか?」

わたしの顔の横に両手をつき、見下ろす瞳に混じるは、確かな劣情である。わたしは、ただため息をついて。

「征十郎」
「な、に……!」
「あんまり甘えたことを言うなよ」

胸ぐらを掴み、至近距離でその純粋な瞳を見つめれば、動揺と困惑を宿していて、わたしは笑う。

「征十郎」
「……」
「征十郎、征十郎」
「………っ」
「ちゃんと、まるごと愛してあげるって言ったでしょう?」

だから不安も不満も必要ないのだ。あんたが、わたしの前では一切の虚勢もプライドも、見せる必要はない。だからさあ。

「征十郎」

今でも寂しいのか?そう胸の内で問いかけて、ゆっくりとほどけるように目尻を下げる征十郎の頬をわたしは撫でた。

「だからもう、泣くな」
「……泣いてなどいない」
「泣きそうになってたよ」
「泣きそうになってもいない!」
「あーはいはい。征十郎はかわいいねぇ」
「………」
「かわいいかわいい!」
「……ばか」
「愛してるぜって言ってんのよ〜」
「うるさい、バカ」
「おい、なににおいを嗅いでる。ってこら!なに脱がそうとしてんだお前!」
「うるさい。僕だって愛してるんだ、バカ!」
「分かったから!いい加減退けろこら!」
「いやだ!」
「反抗期だあああ」




なんか変なことになったぜぇ……(笑)