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小ねた
2013/05/01 10:49

「……お」
「どうしたんですか、青峰くん」
「なんかあっちに変なもんでもあ……ったっすね……」
「赤司と伊藤ェ……」
「仲良く手を繋いで下校ですか、相変わらずですねあの二人も」
「つーか!あれで付き合ってないってんだから意味がわかんねーっす!!」
「諦めろよ黄瀬ェ、伊藤は赤司のもんだぞ」
「な!俺は別に……!」
「黄瀬くん、悪いことは言いません。諦めたほうが」
「なんで俺が伊藤っちに片思いしてる設定になってるんすか!!しかも超可哀想なものを見るみたいにぃ!」
「おま……なに言ってんだよ、誰も赤司から伊藤を奪えやしねーよ。できるとしたらテツくれぇじゃね?赤司もテツには何故か穏当だし」
「残念ですが千加さんはそういう対象には見れないです。だから赤司くんはボクには穏当なんでしょう。ていうかイヤですよ、勘弁してください。ボク、呪われたくありません」
「…赤司っちの呪い……」
「ああ……今世どころか来世までやばそうだな……」
「千加さんに手を出そうとしたという灰崎くんはすっかりトラウマみたいですね」
「へぇ……あいつ、まじザマァっす」
「つーか、そういうお前も毎日何かしら伊藤にちょっかい出して赤司にやられてるじゃねーかよ」
「いやいや!俺のはただスキンシップっすからね!」
「それが赤司の癪に障ってんだろーがよ」
「セクハラの常套句じゃないですか」
「せ!セクハラとかひどいっすよ黒子っちー!」
「ま、赤司も大概だが、伊藤も大概だよな」
「確かに、お互い様ですよね」
「伊藤っちの一番は赤司っちっすからねー!!」
「はあ?なんでお前がうれしそうなんだよ」
「えっ……いや別に…(憧れてるとか恥ずかしくて言えんでしょ……)」
「あの二人は「一対」ですから。当たり前のことといえばそれまでです」
「「運命のふたり」っすよね!!」
「あー……俺はそんなきれいな喩えはムリだわ〜……強いて言うならあれだな、赤司はよくああも自分だけを見るように伊藤を調教したもんだわと思うがな」
「もっと他の言い方ねーんすかもう!青峰っちのバカ!」
「……まあ、でも赤司はやはり千加さんを自分好みに誘導した節はありますよね……いや千加さんそのものがそもそも好みそのものなんでしょうけど」
「卵が先だろうと鶏が先だろうとどっちでもいいっよすよ」
「ま、要ははた迷惑なバカップルってことだな」
「付き合ってないっすけどね」
「付き合ってはいないそうですが、赤司くん曰く婚約はしてるらしいですよ」
「「ハァア!?」」
「通算で二度。千加さんも一応同意の上だと、彼女も頷いてました」
「さすが赤司っち……すべての退路ふさいで伊藤っちを逃がす気も更々ないっすね……」
「やることがいちいちスケールでけぇよ。赤司のやつ、伊藤の人生まるごと絡めとる気満々かよ……」
「やはり千加さんよりも赤司くんのほうが行動力的にはやばいですよね」
「伊藤も可哀想に」
「でも伊藤っちはそんなこと思ってないっしょ、むしろ幸せなんじゃないっすか?」
「すっかり調教されやがって……可哀想だな」
「青峰くんはそれ言わないと気がすまないんですか」


赤司の彼女を決して逃がさない人生計画に戦慄が止まらない