しるしがほしいのだ

しあわせだよってはにかむあの日のきみが、いまでも心臓のずうっと奥のほうでひそやかに息づいている

せめて夢にはでてこないでおくれよ

いちばん欲しかったものはずっとここにあった

ただほかでもないあの日のおまえに赦されたかっただけなのに




うそだけは上手なひとだった

さよならを言わなかったのはなぜ

夜はやさしすぎるから苦しい

ひとつだけわかっているのは、きみはもうこの部屋にこないっていうこと

わたしは天使なんかじゃなかった




お願いだから思い出さないでいて、
そうしたらきみはきっとしあわせになれる


お願いだからなにも言わないでいて、
そうしたらぼくはばかみたいに信じていられる




今日だけはおとな

夜明けがつれてくる何かをずっと待ち続けている

正解なんてここにはなかった



まなうらにきらめくあの日のきみが記憶の底に沈むまで、きっと何度だって恋をする

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