02 少女との再会


そんなルフィと入れ替わるかのように今度はユキナがゾロの元へ静かに歩み寄ってきていた。

ゾロ「!なんだ。今度はお前か?なんか用か?」

『・・・別に。ただ無茶をするなぁと思って。』

そんな事を言うユキナに何を言いたいのか分からず、ゾロは疑問符を浮かべたが、ユキナの視線の先を見てああっと納得した。その視線の先は、先程までリカのおにぎりが落ちていた場所だから。

ゾロ「別に無茶してねぇよ。腹減ってたから食っただけだ。」

『ふっ・・・そーか。』

ゾロ「・・・・・・///!!!??」

静かに優しく微笑んだユキナを見て、ゾロは思わず目を見開いた。見えているだけでがあるが、ユキナの顔が想像以上に綺麗だったものだからゾロは思わず顔を赤らめ、そっぽを向いてしまう。

『・・・ん?何?』

ゾロ「べっ・・・別に何でもねぇよっ!!/////」

続けてゾロは口を開く。早く話題を変えたいとでもいうように。

ゾロ「でっ!!なんのようだよ!」

『何怒ってんだ;;』

ゾロ「Σほっとけ!!!」

『まぁ、いーや。ほら、口あけろ。』

ゾロ「はぁ!!?今度はなんだ!?」

何で怒っているのか分からないが、ユキナは然程気にもせず、ゾロに口を開けるように言うもゾロは何故、口を開けなくてはいけないのかと疑問に持ち、問いかける。しかし、返事することなく早く開けろと訴えてくるユキナに何言っても無駄だと観念したゾロは渋々口をあけた。口を開けた瞬間、ユキナはゾロの口に何かを入れ、パクっと口を無理矢理閉じさせた。

ゾロ「!何すんだ!てめぇ!」

『何って・・・いつまでも口の中が泥の味なのはイヤだろ?』

ゾロ「Σだからって人の口ん中に勝手に入れんなっ!!」

『・・・俺の用は終わった。また後でな。』

ユキナはゾロの言う事など耳も貸さず、一言そう言ってゆっくり歩いていく。残ったゾロはユキナの後姿を見ていた。

ゾロ「・・・なんなんだ、あいつは・・・。 わかんねぇ奴。」

口ではそう言葉にするゾロだったが、うっすらと笑みが浮かんでおり、なんとなくだが、麦わらの男が言っていた優しい≠ニいう意味がわかったような気がしていた。


――――・・・


ユキナがリカの元へ行ってみるとそこでは、ルフィが一つ残らずバリバリ食べていた事をリカ達に教えており、リカはそれを聞いて嬉しいと喜んでいた。

コビー「あの人・・・本当に噂通りの悪人なんでしょうか・・・」

『違うな。』

「「「!!!」」」

そのコビーの一言を否定した声に3人は驚いた。しかし、ユキナが姿を見せるとたちまち表情が変わった。

ルフィ「ユキ!!」

リカ「ユキお兄ちゃん!」

コビー「貴方はさっきの!」

ユキナはそんなルフィの様子に笑いながらバレてたんだな、と言うと当たり前だろ、と当然と言いたげに得意げにルフィから返事が返ってきた。その返答を聞き、今度は自分が知らないコビーに目を向け、お前は?と尋ねた。

コビー「あっ、すみません。僕はコビーといいます。・・・えっと、ユキさんでしたよね?」

『・・・あぁ、そーだ。
で、さっきの話だが、ゾロは悪い奴ではない。そーだろ?リカ。』

コビーにそう返答し、ユキナは話を元に戻した。

リカ「うん!ユキお兄ちゃんのいう通り!あのお兄ちゃんは何も悪いことしてないもの。町のみんなは恐がってたけど。捕まったのだって、私を助けるためにモーガン大佐の息子が飼ってた狼を斬っちゃったからなの!それまでは野放しで狼が町を歩き回って、みんな、すごく困ってて・・・!!」

ルフィ「じゃあ、ゾロが捕まった理由ってのは・・・アイツの飼い狼を斬ったってだけの事なのか。」

リカ「うん。」

コビー「そうか・・・!!それもそうですよね。彼の気性の恐ろしさはさておき、賞金首を狙うことが、罪になるわけありませんからね。」

『(なるほどねっ♪これで海賊狩りを海軍が捕まえてる理由がわかった。だけど、ゾロが言ってたあの息子との約束・・・。果たしてその約束を息子が守るかどーか・・・例え、息子が約束を守ったとしても、どーいー人物かは知らないけど、その父親であるモーガン大佐がそれを許すかどーか・・・だよねぇ・・・)』

リカの話を聞いてユキナは、そんなことを考えていた。


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