02 少女との再会
ヘルメッポがいなくなったのを見計らい、ルフィはゾロへ近寄った。
ゾロ「!なんだ、てめぇ。まだいたのか。ボーっとしてると親父にいいつけられるぜ。」
ルフィ「まぁね。おれは今、一緒に海賊になる仲間を探してるんだ。」
ゾロ「海賊だと?ハン・・・!自分から悪党に成り下がろうってのか。ご苦労なこって・・・」
ゾロのその言葉にルフィはムッとする。
ルフィ「おれの意志だ!海賊になりたくて何が悪い!!」
ゾロ「――で?まさか縄をほどいてやるから、力を貸せだの言い出すんじゃねぇだろうな。」
ルフィ「別にまだ誘うつもりはねぇよ。お前、悪い奴だって評判だからな。」
ゾロ「悪い奴ね・・・。言っとくが、そんな条件ならこっちから願い下げだ。おれにはやりてぇ事があるんだ!! お前に逃してもらわなくても、おれは自力で生き延びる!!1ヶ月ここに生きたままつったってりゃ助けてやるとあのバカ息子が約束してくれた。なにがなんでも生き延びて、おれは、おれのやりたいことを成し遂げる!!!」
ルフィ「・・・・・・ふ―ん、そうか。でも、おれなら一週間で餓死する自信あるけどね。」
ゾロ「おれとお前じゃ、気力が違うんだ。
・・・そういや、お前。あの黒のコートのやつと知り合いか?」
ルフィ「ああ!おれの幼馴染みみたいなもんだ!あいつは10年前におれが海に出て自分を見つけることが出来たら仲間になってくれるって約束してくれたんだっ!!!」
『・・・10年。
10年後再び、この海に戻って来る。その時は変装して名前も変えてるけど、それでも見つけられたなら仲間になってあげる。』
ルフィの脳裏には、あの10年前の約束が鮮明に浮かんでいた。
ゾロ「・・・へぇ。それで再会を果たして見事お前の仲間になったってことか。もの好きなやつだな。幼馴染みのためだからって海賊になるなんてな。」
ルフィ「?あいつはずっと前から海賊だぞ?」
ゾロ「はぁ!?じゃあ、ガキのときから海賊やってたってのかよ!!?」
ルフィ「おう!そうだ!」
ゾロ「・・・なんて奴だよ;;」
ルフィ「あいつはなっ!すっげぇ優しくて良い奴なんだ!!」
ゾロとユキナの話が出来て嬉しくてルフィは楽しそうに笑っている。
ゾロ「・・・まぁ、とにかくだ!もの好きな仲間探しは、他を当たるんだな。」
それを聞いたルフィは一先ず、この場を離れようとゾロに背を向け、歩きだそうとする。しかし、ルフィはゾロにちょっと待て、と呼び止められ、足を止めた。
ゾロ「それ・・・。とってくれねぇか。」
そう言うゾロの目線の先には先程リカが持って来たが、ヘルメッポに踏み潰されてぐちゃぐちゃになったおにぎりがあった。
ルフィ「食うのかよ、これ。もう、おにぎりじゃなくて、ドロのかたまりだぞ?いくら腹減ってても、こりゃあ・・・」
ゾロ「ガタガタぬかすな。黙って食わせろ。落ちてんの全部だ!!」
ゾロは口を大きくあけ、そう言う。ルフィはそんなゾロの口にそのおにぎりを仕方なく入れてやった。バリバリとおにぎりを涙目になりながら食べているゾロにルフィは死にてぇのか?と呟いていた。
ゾロ「ゴフッ・・・あ・・・あのガキに伝えてくれねぇか・・・!!!」
ルフィ「?何を。」
ゾロ「 <うまかった。><ごちそうさまでした。>・・・ってよ。」
ルフィはゾロのその言葉を聞いて、嬉しそうに笑った。そのルフィとゾロの会話を静かに聞いていたユキナはバカだね〜。と呆れながらも笑っていた。今度こそルフィはその場を去っていた。