幸村が出ていってから美里はその場に残ったレギュラー達からリンチを受けた。それは美里にとってどうってことないことだ。リンチなんてこの復讐を考えた時から覚悟していたことだろうから。そんなことより美里は大事な人が傷付く事の方が観ていられない事なのだろう。だけど、美里は何かに縛り付けられたようにリンチにあってる間、動けないでいた。美里と幸村の間にはある約束が交わされていた。

「精市。皆には私と別れたって言って欲しいんだ・・・けど、うーん・・・なんて言うのかな〜?えっと・・そのぉ・・・」

美里は幸村から目を逸らし、俯き加減で言いにくそうに言葉を濁らせている。そんな美里に幸村は何かを察したみたいにゆっくりと口を開いた。その声色は優しく真剣そのものだ。

「・・・美里には嘘でも別れるなんて言わないよ。」

「・・せ、いち・・・うん!約束だからねっ!」

「あぁ。」

そんな2人の約束が1日も経たないうちに壊されたのである。美里はそのことにショックを隠せないでいた。

「・・・・ぐはっ・・・・っ!・・・・・・げほ・・・げほ・・・・(約束だったじゃん・・・・約束は破っちゃダメなんだよ・・・)」

どんなに殴られようが蹴られようが、美里の頭の中にはそれしかなかった。敵のフリをしている味方もそのことを知っている為、顔には表さないように必死に堪えていた。だけど、何故幸村が美里を裏切ったのか。それだけが味方の頭を過っていた。

「お前何か生きてこなければ良かったんじゃないスか!」

そう言って赤目になった切原は美里のお腹をおもいっきりいつも以上の力で蹴った。

「っ?!・・・・がはっ・・・げほごほ・・・・」

その一蹴りが急所に入ったのか美里は胃液を吐き出し、咳き込んでしまう。

「汚ぇ。」

誰かが呟く。だが、それだけでは終わることを知らないのか、その行為は美里が気絶しても尚、暫くは続けられた。リンチをしている人達の気が済むまで。

to be continued.
12.02.28 up
20.10.08 修正

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