※B



消えそうな思考でそれを悟ると、ガゼルはもう快楽に身を任そうと思った。
しかし、身体の力を全て抜こうとする手前、冷たい目をしたグランと目が合う。

「ガゼル…?口が休んでるよ。また鞭で叩かれたいの?」
「いやっ鞭は、いやぁ…!!」
「だったら…分かるよね?」

冷たい声。
『鞭』、という単語にガゼルは過敏に反応した。
もう完全に、ガゼルの脳には『鞭』という言葉が痛みと共に焼きついて離れないのだ。

『鞭』、と言われるともはやガゼルは従順な犬になるしかなかった。
こくこくと首を縦に振ると、再びグランの雄に舌を絡め始める。
その様子に満足したのか、グランは口を歪ませて笑った。

「さっ…て、そろそろいいだろ」
「切れたら可哀想だし、ゆっくりしてあげなよ…ガゼルはいい子なんだから」
「そうだな、じゃあ…いくぜっ」
「んぐっふぅうう…!!ん、んぅううう!!」

バーンが腰を沈めていく。
ガゼルはあまりの感覚に目を見開きながらも、なんとかグランのを舐めようとした。
その様子に、「えらいえらい」とグランが頭を撫でると、ガゼルは嬉しそうに目を細めた。

「っあー…、やっぱ初モノはいいわ…ッすげえ締まる」
「いいなあ、俺も早く挿れたい」

はふ、と気持ちよさそうに息を漏らすと、グランがそれを見て早くと急かした。
あとでな、と適当に返事をすると、ゆっくりとピストンを始める。

「ん、んはぁあ…んんっう…!!」

中に納まる普通あるはずのない異物の感覚に、吐き気を覚えながらもなんとか耐える。
力む代わりにグランのそれを強く吸うと、それがまた大きくなったのを感じた。

「ガゼルっもう出そう…!あぁ、出る…!!」

限界が近くなりガゼルの頭を掴むと、グランは前後に激しく振った。
喉奥を突かれ吐きそうになりながらも、懸命に耐える。
すると、口の中に熱いものがどくどくと流れてきた。
何事かとガゼルは目を見開く。

「ん、ん…んぐ!?んっんんー!!」
「はは、出ちゃった…。全部飲んでね、じゃないとまた『鞭』、だよ」
「!! んぅ……んっ」

『鞭』、という言葉にまたビクンと反応すると、観念したようにガゼルは口の中のものを飲み干した。
苦くねばついたそれはなかなか飲み込めず、喉に絡みつく感覚にガゼルは眉を潜めた。

「はー、じゃあ取敢えずバーンのを見てよっかな」
「あぁ、おまえの所為でさっきまでろくに動けなかったんだ。今からが本番だぜ」
「僕の所為にされてもねぇ」
「フン…じゃあいくぜ、ガゼル」

糸が切れた様に、バーンは先程とは全然違うスピードで腰を打ち付けた。
さっきとは比べ物にならない位強い快楽に、腕も立てる事が出来ず、ガゼルは床に突っ伏して喘いだ。

「うぁあああ!!ひっ…なにっあっァあ!なにっこれぇ、気持ちぃ、よぉ…!!」
「はは、すげー顔っ」
「あぁっ気持ちぃ、気持ちぃい、よぉお…ッ!」
「よだれだらだら垂らしちゃって。本当に下品な犬だなあ」




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