A



「…ただいま」
「おかえり、ご飯にする?もう出来てるわよ」
「いや、…いいや。おやすみなさい」
「あら、もう寝るの?…おやすみなさい」

家に着くと、母さんが笑顔で出迎えてくれた。
隠してるんだろうけど、なんだか疲れた笑顔だ。…また、父さんと何かあったのかもしれない。


返事をせず早々と階段を上がり、目指すは奥の右手のドア、自分の部屋。
ここは他の人の侵入を許さない為に、鍵を付けて貰った。
入られちゃ困る、…僕の空間なんだから。


部屋に入るなり鍵を閉め、いつもの椅子に腰掛けパソコンの電源を入れる。
高スペックのパソコンなので、起動も早い。
デスクトップが写ると、フォルダを開き目当てのファイルを開いた。
…風丸一郎太と、鬼道有人の性行為を収めた写真だ。

改めて見ると、…不思議と美しいと思った。
初めはあんなに、撮った後に吐き気がくる程気分が悪くなったのに、だ。
…不思議なものだ。



写真を撮った後、急いで部室に持って行って、部長に見せて。
あっという間に学校中のスクープになったんだけども、未だひとつ気になることがあった。


…昨日、僕の下駄箱に入っていた、一枚の手紙。
差出人の名前なんて勿論書かれていなくて。
指紋もナシ。


『今から30分後、保健室にて。雷門サッカー部に大きな損害となるであろう事が起きるだろう。』


あれは誰が書いたんだ…?

…もしかすると、僕はとんでもない事をしでかしてしまったのかもしれない。






end.

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