@



まさか、本当に撮れるとは思わなかった。
初めは、どうせ誰かの出任せだろうと、軽く見ていた。

こんな事になるなんて――…思ってもなかったんだ。




その風、疾風の如く。C




「やったな須川!お前のお陰で新聞部はまた名上がり、サッカー部は廃部もしくは大幅の戦力落ち!!素晴らしい出来じゃないか!」
「は、はぁ…どうも。」
「? あんまり嬉しそうじゃねえな…。」
「いえ、そんな事はないです。では、僕は用事があるので」
「お、いってらっしゃい。…念のため言っとくけどな」
「……」



とぼとぼと、冷たく静かな道を歩く。
授業が終わっていつも通り新聞部に行ってみるも、なんだか落ち着かなくて。
そんなので居ても仕方ないので帰ることにしたけど、…本当にこれでよかったのだろうか。
僕は裏切ろうとしている…?裏切りたいと思っている…?
憧れの新聞部を?


『裏切ると、ただでは済まされないぜ、お前。』


さっきの部長の言葉が頭に過ぎる。
部長…目が笑ってなかった。
なんだか急に辺りが寒くなった気がして、視線を感じるような気がして。
早足で帰路についた。





- 13 -


[*前] | [次#]
ページ:




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -