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寒がり工房。




冬休み。
子供ならもっと外に出て雪だるまやらなんやらを作るのが普通なのかもしれないが、寒がりな僕はもっぱら部屋に籠っていた。
温かいスープを常備し、近くには電気ストーブ。完全防備だ。

本当は貼るカイロを全身に貼りたかったが、流石にやめろと烈斗に止められたので仕方無くやめた。
烈斗も初めは外に行こうとなかなかしつこく誘ってきたものの、今はもう諦めて暇そうに僕のベッドに寝転んで…、あ、うとうとして……寝た。

本当は外に出たいんだよね…ごめんね寒がりで…。

心の中でこっそり謝り、少し冷めたスープを啜った。

……あ、そうだ。いいこと思いついちゃった。



ベッドに上がり、無防備に寝息をたてる烈斗を組敷く。
前髪を上げおでこにキスを落とし、次は桃色の唇へ。


「…ン、ん…ッ…ぅ」
「……烈斗」

何度も角度を変えて愛撫して、ちゅ、と一端口を離す。

…まだ起きないみたいだ。
少し見じろぐだけ。

なら、もう一度……。

再び僕は吸い寄せられる様にキスをした。
今度は長く、少し開いた口に舌を入れて。無意識に逃げる烈斗の舌をねっとりと
絡めとり、軽く吸ってやる。
二人分の溢れた唾液は烈斗の頬をいやらしく伝った。


「は、ぅン……ん、喜多海…?」
「烈斗、おはよう」
「おは…よぅ」


寝ぼけているのか舌足らずな烈斗。
かわいいなと頭を撫でてやると、くすぐったそうに身じろいだ。
もう一度、おでこにキスを落とす。


「ね、烈斗」
「ん…?」
「烈斗、外に出たいんだよね?」
「そりゃあ、まあ…」
「じゃあ…」

出たいけど…。
でも喜多海が…、と口ごもる烈斗の耳元で喜多海が囁く。
熱っぽい吐息とその言葉で、烈斗は体が熱くなるのを感じた。


「な、ちょっ喜多っ…」
「あれだけ外出たがってたもんね、たまには譲渡しないと」


どうやら喜多海はすっかりその気で、烈斗の意見を聞く気などさらさら無いらしい。
烈斗も体に火が付いたのは同じで、仕方なく抵抗を止め喜多海の首にそっと腕を回した。
満足そうな喜多海の顔。
近づくそれに、烈斗はゆっくりと瞼を閉じた。


『じゃあ、烈斗が暖めて。』





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