B


「俺は、同性愛は決して駄目なものじゃないと思ってる。それに、そういう考えの奴はこの学校にも沢山いる…。もちろん逆もだけどな。俺は、そういう偏見で人の感情を踏みにじる真似をした奴が許せない、円堂もそう思ってるさ…」
「円堂、も……」

豪炎寺の言葉により、抱えてきた黒いものがだんだん和らいでくるのが分かる。
吐きそうだった気分が、ちょっとだけマシになった。


…だがしかし。
新聞部は、もう学校の中心と言ってもいい存在。
信頼を失うことを恐れている彼らは、記事の抹消などという事は確実に全力で阻止してくるだろう。
それに力や人望が強い今、到底勝てる気にはなれなかった。
その考えを読み取ったのか、豪炎寺がに、と笑う。


「安心しろ、鬼道もおまえも、雷門サッカー部だ。」
「豪炎、寺……ッ」

水を塞き止めていた栓を一気に抜いたかのように、風丸の目から大粒の涙が零れ落ちた。
幾度も、幾度も。
透明のそれは風丸の頬を伝い制服を薄く染めていった。
頬を濡らす感覚が気持ち悪い、とかそんな事は考えられない。
ただ、涙が止まらない。
豪炎寺は、無言で風丸の頭を優しく撫でた。

沈みかけた夕日が、二人の影をより一層濃く映し出したのだった…。




続きます。
新聞部に復讐のターン!!



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