そんな前置きの後語られたのは、本来ならば知る筈もない世界の在り方だった。




オセの話を要約すると、"世界"と云うのはそれこそ無数に存在していて、普段は何の干渉もなく並列しているらしい。


それぞれの世界には異なる文明があって、住んでいる種族にも差がある。


そんな世界の中には他の世界を知る術が有るところも少なくはないのだという。



そして今回の事象はその世界の一つの人間が知り得た他の世界に行きたいと願ったことが直接の原因らしい。



「その人間は自殺を図り、その後神に生贄を承知で願いを叶えて貰ったのでございます」

「成る程ね、確かになにかを成し遂げるのには犠牲は付き物ですものね」



少し気分が落ち着いてきたらしく、先程よりも冷静な思考ができるようになった私は与えられた情報を頭の中で整理していく。



「その人間――彼女が願った一つがあなたの魂に制約として刻まれております」

「先程も言っていたわね。どんな内容なの?」

「生贄にしたあなたを自分から遠ざけること、つまり生存率を著しく低下させることでございます」





 







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