私はそんな場所が大嫌いだったし、そんな場所に在る私自身も汚らわしいと思っていた。
でも私には現状を抜け出すだけの力はなかった。




そんな私を救ってくれたのが彼女、クロエ・ゾルディック。


ゾルディックというのは私の世界ではとても有名な暗殺一家のことよ。
ククールマウンテンという山に家があるの。
話を聞く限り色々と規格外な人達。


クロエはその長女。
………見た目は10歳前半だけれど歴とした成人なのよね。




彼女は気紛れで私を拾ってくれた。
その後鍛えてくれたし、念能力だって彼女が教えてくれたもの。
おかげさまで私は最難関だと言われるハンター試験に合格することができた。


彼女は私を親友と呼ぶし、そう呼んで欲しいとも言ってくれたけれど。
私からすれば彼女は人生の恩人に他ならない。

だから彼女が喜んでくれるならば、彼女の為ならば、なんでもしようと思っているし、なんでもできる。





「クロエ、」





名前を呟いたところで何も変わらないと分かってはいるけれど。











追憶に咽ぶ
(嗚呼、会いたい)



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