【地獄】を選択した私達には一人ひとり個室が与えられた。
三畳ぐらいの小さくて殺風景な部屋だけれど、煩くないし臭くもないから私は割りと気に入っている。
ここは寮みたいなところで、お風呂とか食事とかは団体でするみたい。
因みに【楽園】で与えられた物は持ち込み可だったわ。
だから既にクローゼットの中がいっぱい。
ふふ。美しいって得よね。
さて、もう一度覚悟を決めて気を引き締めなければならないわ。
今日から秩序は存在しない。
命の保証も何処にもない。
例え前の躯と同じように念能力が使えたとしても、この躯はまだ12の子供。
体力なんて前の私の足元にも及ばないでしょう。
加えて念能力も暫く使えない。
もし気付かれて目を付けられては大変だものね。
せっかく手に入る【自由】がなくなってしまうわ。
私の目的はあくまでも元の世界に、ひいてはクロエの元に還ること。
この世界で、この【地獄】で有名になることではない。
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