それから二年が経ち、私は12歳なった。
念能力もそれなり使いこなせるようになった私は頻繁に絶で気配を消していた。
やっぱり前の躯のようにはいかないけれど。
おかげさまで男達に声を掛けられることも見られることもなく有意義な時間を過ごせているわ。
………でも依然として元の世界には戻れそうな気配はないのよね。
因みに、前に戴いたお洋服はしっかり着させてもらっているわ。
相手の目的はどうあれ、好きなデザインだったもの。
欲を言うなら白より黒がよかったわね。
そう言えば、この世界には魔法というものが存在するの。
魔法を使うための属性は誰でも持っていて、魔法元素というものに働きかけて用いるらしい。
あんまり詳しいことは分からないけれど、知っておいて損はないわね。
まあそれは置いておいて。
前に少し話した私に手を出せない"なにか"が分かったからお話しましょう。
この【楽園】には【ルール】があったの。
それは、【楽園】にいる子供達は12歳になると二つの選択を迫られる、というもの。
そう12歳。私にも丁度話が来たわ。
一つは【楽しいけれど一生出られない場所】、もう一つは【自由だけれどいつ死ぬかわからない場所】。
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