異世界トリップなんて非現実なことはないと思っていたけれど、こう考えた方が辻褄は合う。
有り得ないことは有り得ない、とも言うしね。
次は"私"の立場について。
この躯の記憶からすると、名前は私と同じデルフィニア・リストレイシス。年齢は10歳。実の両親は不明だけど、育ての親らしいのはたくさんいる。
最初の二つはまあいいとして、一番最後は結構特殊よね。まあ、花街だから仕方ないかしら。
ちょっと下品な話だけれど、どうみても煩悩の塊みたいな人間が多いのよね。
まるで獣<ケダモノ>だわ。
今こうしている間にも厭らしい目で私を見てくる連中もいるし。
ロリコンなのかしらね気持ち悪い。
さっさと念能力を取り戻して一日中絶をしておきたいわ。
因みに絶っていうのは気配を薄くする技術。前の躯なら完璧に消せたけれど、今は駄目ね。
まあ、そんな与太話は終わりにして。
今日も読書に勤しみましょうか。
お高い不条理
(でも屈しはしない)
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