あれから数ヶ月、更に気合いを入れて勉強して勉強して、入学試験に挑んだわ。



あの時。
そう私の気が高ぶり過ぎて、空回りしてしまった日よ。
あれはもう今思い出しても恥ずかしいわ。
あんなに礼節を欠いたことをしてしまうなんて!


次の日にもきちんと謝ったけれど。
もう二度とあんな無様な姿を晒さないように気を付けなければ。





私の失敗談なんてもういいわ。



話を戻すけれど、ミルス・クレア魔法院は流石名門なだけあるわね。
入学試験は舌を巻くほど難しかったけれど、私もアルバロも伊達に勉強してきた訳ではない。


ちゃんと合格して入学資格を手に入れたわ。



それは良いのだけれど、もう一つ驚いたことが。



「まさか、貴方も行くなんて、ね」

「酷いですわ主さま!わたくしは主さまと一緒に行きたかっただけですもの!」



自宅のテーブルで寛ぐ私と私の悪魔、リル。


実は彼女も一緒にミルス・クレアの入学試験を受けていたの。
勿論バレないように別々に。



「古代種には目を付けられていないわよね?」

「勿論でございます!このわたくしが古代種ごときに気付かれるわけはありません!」



得意気に胸を張るリルに溜め息を漏らす。
別に彼女が行くことに反対はしない。
彼女の言う通り、古代種には気付かれてはいないでしょう。


もし気付いているならば、わざわざ力のある、しかも悪魔を学舎に入れる筈はない。
リルも入学資格を手に入れているからきっと大丈夫。




 



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