あの暗殺とは名ばかりの虐殺を行なってから三ヶ月後、仕事から帰ってきた私は急いでシャワーを浴びて普段着に着替える。
今回は結構遠くまで出掛けていたから、帰ったのはもう昼頃だった。
少し眠いけれど、それよりも大切なことがある。
「ふふっ。漸く手に入ったわ」
机に置いたままの本を手に取る。
これはこの前マスターに頼んで用意して貰った仕事の場所で盗ってきた本。
魔法について勉強するために比較的易しい参考書が欲しかったから、小さくても魔法学校のある街に行かせて貰ったのよ。
おかげさまで最低限必要な知識を得るには十分なものが手に入ったわ。
早速、とベッドに寝転がり若干わくわくしながら本に手を掛ける。
今日は一日中外には出ないわよ。
―――コンコン
……………。
誰よ。私の読書の時間を邪魔するのは。
機嫌が急降下していくのを感じながら、取り敢えず確認するために玄関に向かう。
………くだらない用事だったら首を跳ねてやるわ。
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