その後直ぐに引き出して貰った情報を頭の中に叩き込む。
情報と云うのは、例えば屋敷の正確な場所とか、そこに向かうのに掛かる時間だとか、屋敷の間取図だとか、屋敷には具体的に何人住んでいるのかとか。
その他もろもろ。
これだけの情報を一瞬で掴めるなんて悪魔ってすごいわよね。
そして私は今からこの情報の裏を取りに行く。
勿論彼女が契約主の私にくだらない嘘なんて吐くはずはない。
だから信用も信頼もしているけれど、約束の夜までまだ時間があるし、なによりもあの彼、アルバロさんに妙に勘ぐられるのも避けたいわ。
まだ少ししか話してはいないけれど、なかなかのクセ者で実力者なのは十分に理解できた。
ついでに頭が良くて理解力があることも、ね。
向こうも私がそこらの連中とは違うことには気付いたでしょう。
お互いにお互いを警戒している今、リルのことを知られるわけにはいかない。
彼女に辿り着く可能性なんて一つだって与えられない。
リルは私にとって最終兵器のような存在。
"彼女"がこちらに来るまでは隠しておかなければならないわ。
←|→