「まさに俺にぴったりの人だったよ」
「……それはあまり想像できないわね」
今のアルバロと仲良くするなんて、そんなことができる人がいるのかしら。
世の中って広いのねぇ。
「まあ、お互いルームメイトには恵まれたってことで、取り敢えず一件落着かな?」
「仰る通りね」
会話をしている間にも注意深く辺りを観察する。
寮の門限もあることだし、今日一日だけでは回れないけれど、取り敢えず外の大体のことは把握しておきたいわね。
寮内は夜からでも、魔法院の中は授業の合間にでも回れば良いわ。
それにしても。
「視線が気になるわね」
ある程度は予想していたけれど、すれ違う度にこうも凝視されると流石に気に障る。
「しょうがないんじゃない?俺達、顔が良いからね」
「顔だけは、の間違いだわ。……ただの純粋な好意ならば私も嬉しいのだけれど、ね」
一際強く感じる舐めるような視線に表情は変えずに内心で舌を打つ。
本当、男と云うのはどこでも変わらないのね。
もう無視でいいわ。
「ところで、学校にいる間ずっと私といるわけではないでしょうね?」
「え?そのつもりだったんだけど」
私は復讐の準備があるし、彼も彼でやりたいことがあるでしょうから、お互いにそちらを優先するだろう思っての発言だったのだけれど、返ってきたのは予想外の言葉だった。
少しだけ眉をひそめて隣のアルバロを見上げる。
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