魔物と少年 3/9
「…また来たのかね。坊やは物好きだね。いつも何もない場所に来るなんて。」
「君に会いに来たんだ。僕は君と話すのが楽しいんだよ。」
「変わってる坊やだこと。私はあまり話すのは苦手だよ…」
そう、僕は君と出会ったその時からいつもこの神社に通っている。
「坊やは私の姿が怖くないのかい?」
「全然怖くないよ、君の心は誰よりも透き通っているから。」
「嬉しい事を言ってくれるねえ。でも何も出ないよ。」
僕は何処か寂しそうなその瞳に夢中になった。もっと知りたいと思った。
[←] [→]
[Back]