名前変換なし
強姦・いろいろ注意
「おっ、お弁当屋さんだ。今日は休み?」
「あ……御手杵様、いえ、でも今日はこれを届けたら、おしまいです」
配達の帰り道、偶然会った御手杵様に声をかけられた。審神者様のお家へ良く顔を出す私は彼とは知り合いだった。
「そっか、そっか……蜻蛉切が逢いたがってるんだけど」
「えっ、あっ、はい……」
「お弁当屋さんも逢いたい?」
「……えっと……」
「仕事終わったんだろ?」
俯いた私の手を引いて、御手杵様はにっと笑った。勝手にお家に出入りするようになった私にも、刀の神様である皆様は本当に良くしてくれた。御手杵様とも何度もお喋りしたことがあり、気さくな人柄が好印象だった。御手杵様は気を使ってくれたのか、手を離して2人で歩く。
「蜻蛉切とはさー」
「あっ、はい」
「……聞くまでもないか。上手くいってそー」
「……えっと、まぁ……」
私が蜻蛉切様と恋仲になって、もう随分経つ。神様は疎か、男の方とも初めてお付き合いをした私は、色々と迷惑をかけながらもずっとお側に置いて頂いていた。戸惑うことも沢山あったけれど、それ以上に大好きな人のお側に居られることがどれだけ幸せなことか、今でもずっと教えて頂いている。
「んーそっか、そっか、だろうな」
「……は、恥ずかしいです……」
暫く歩くと、審神者様のお家が見えてくる。刀の皆様は本丸と呼んでいて、少し街はずれに建った本丸はとても大きい。離れやお部屋が何部屋もあって、ちょっとしたかくれんぼをすれば探すのに半日以上かかるだろう。大きな門をくぐって、中庭を抜け、これまた大きな土間で靴を脱ぐ。この道程も、もう珍しいものでは無くなった。
「部屋わかるよな?誰も居ないけど先に行ってて」
「はい……」
本丸には何振もの刀が生活しているが、それでも部屋は余っているらしい。気前のいい審神者様は私達のことをとても快く受け入れてくださって、蜻蛉切様や御手杵様槍達の生活する部屋とは別に、私達が逢瀬をする部屋を割り当ててくださった。少し恥ずかしくもあるけれど、広い本丸の中で自分達の居場所があることが、私は何より嬉しかった。誰も居ない部屋には何時もの通りちゃぶ台が置いてあって、私は配達に使った風呂敷を畳んで部屋の隅に置き、ちゃぶ台の側に腰を下ろした。一息ついたところで、障子が開く。期待して振り返ると、そこにはお茶を持った御手杵様がいた。
「なんだよ、がっかりするなよ」
「し、してません……」
「顔に出てる」
「えっ……と」
「ま、いいや、はいお茶」
「あ、お気遣いなく……」
なんて言いながら、私は御手杵様から受け取った湯のみに口を付けた。熱くもなく、冷たくもなく、なんだか変な温度。配達で喉が渇いていた私は、半分くらい飲んでしまった。そんな私を眺めながら、御手杵様は私の隣に腰を下ろした。
「喉渇いてた?」
「えっと、はい」
「ははは、そーいうとこなんだろうな」
「え?」
「大人しそうなのに、そういうお淑やかになりきれないとこ、蜻蛉切好きそうだなって思って」
「は、はぁ……」
「……ごめんな、なんか、蜻蛉切のこと話すと照れるから、可愛くて」
「えっ、あっ、な、なにを……」
「また照れてる」
なんか、今日の御手杵さんなんか変だ。いつもは私のことなんてそんなに興味ないみたいな感じなのに、今日はどうしてそんなことばっかり聞いてくるんだろう。そしてなんだか本丸はひっそりとしていて、なんとなく居づらい。蜻蛉切様は、まだ来ないのだろうか。私も早く、会いたいよう。
「あの、御手杵様」
「ん?」
「蜻蛉切様は……」
「……蜻蛉切ね……」
その時だった。背筋から、悪寒にも似た不思議な感覚が背中を走る。何か良くない感じがする衝撃だった。私は上擦った声で唸って、ちゃぶ台に手をつく。全身の毛穴が開いたように、身体がざわめく。
「や……えっ?」
「…………ほんとーに効くんだ、アレ」
「あ、んん、なに……、」
「……俺さ、嘘ついた。今日蜻蛉切遠征で居ないんだわ」
「え、あ、うっ、なんで……」
「あとお茶、薬入れた」
私はもう上体を起こしているのも辛くて、御手杵様のことを詰ることも出来なかった。なんで嘘をついたの?薬ってなんの?聞きたいのに口が回らない。ぐったりした私を抱き寄せて、御手杵様が耳許で囁く。
「蜻蛉切がさ、ただの弁当屋になんでそんなに入れ込むのかって思ったら、俺も味わってみたいじゃん」
「え、えっ……」
強引に口を塞がれる。私はびっくりして腕の中で精一杯暴れるけれど、力の抜けた身体と、大きな御手杵様の力からは逃れることができなかった。舌で口の中を探られる度、背筋を甘いものが駆け巡る。こんなの嫌なのに、なんで?片手で私の両手を纏めてしまった御手杵様は、荒々しい手つきで私の着物の合わせを暴いた。
「や、めて……」
「抵抗してもいいぜ」
「……っ、う、ふぐ……」
全然濡れてないと思ってたのに、私のあそこはなぜかぬるぬるしてて、御手杵様の指を濡らしてしまう。耐えきれなくなった私は嗚咽を漏らしてしまった。こわい、すごくこわい。こんなの嫌だ、助けて……。
「うぅっ、助けて……っ助けてぇ、蜻蛉切様……っ」
「やべー、ぐっちょぐちょ……無理矢理されてるってわかってんの?」
「や、やだ……う、グズッ……やだよ……」
「こんな淫乱女だってバレたら、幻滅されんじゃねーの」
「さ、れ、ません……っ、蜻蛉切様は、ぐすっ、そんなお人ではありま、せんから……っ!」
「なにそれ、妬けるんだけど」
「う、う……だから、やめ、っうぁ」
雛先を御手杵様の指がかすって、私は高い声を上げざるをえなかった。相変わらず力の抜けたまま全力で暴れる私をいなしながら、濡れたそこを嬲る。嗚咽に高い声がどんどんと混ざっていく。
「あっ、あうーっ、う、うう……ぐずっ、んぁ、」
「やだやだ言って、ほんとは嬉しかったりしてな」
御手杵様の乾いた笑いを聞きながら、ちゃぶ台に上半身を乗せられる。ちゃぶ台からお尻だけはみ出した私は無様極まりない。
「蜻蛉切様……っ、助けてぇ……、あぁ……うぁぁん……っ」
「呼んでも来るわけねーの。挿れっからな」
「いやぁーーっ!!それだけは!やめてっ!」
「せいぜい助けを呼ぶんだなっと」
力なく暴れる私の頭をちゃぶ台に押さえつけながら、御手杵様のものが入ってくる。蜻蛉切様にしか許されていない場所なのに。濡れてはいたけど、慣らされてないそこはギチギチとそれを食い縛り、私は顔をクシャクシャにして泣き叫んだ。
「いやっ、いやぁーっ!アアーーッ蜻蛉切様ァッアッ、アッ……!」
「すっげ……イイ……」
「やぁーーッ!あっ、あああっ!とんぼきりさまっ、蜻蛉切様……ッ!だすげてっ!だずげで……!」
「っあーうるせぇなー」
「やぁ……くぁっん!」
「はは!締まった!」
腰を動かすのをやめないまま、御手杵様は私の臀部を引っ叩いた。どろどろのぐちゃぐちゃになった私の身体は、もう感覚がおかしくてそれすらも刺激として受け取ってしまう。ばちん、ばちん、と勢いをつけて何度も何度も叩かれ、その度に身体がびくびく震えた。
「叩かれて感じるとか……これじゃあお淑やかになんかなれねーよな!この変態」
「アアアー……ッたすけ、とんぼきりさま、蜻蛉切様……ッとん、ぐぅぅーーッ」
「おら、そろそろ出すからしっかり締めろ」
御手杵様がなにを言っているのかもわからない。動きが激しくなって、私は泣き叫びながら大きく揺さぶられる。感覚の箍が外れたように、なんだかわからない強い刺激が身体じゅうを駆け巡る。ずぐんと奥を抉られて、中で御手杵様が脈打った。律動が止まる。
「ああ……っんん……グズッ……」
「……ふー、めちゃくちゃ良かった……あー、まだ出てる」
「……っ!で、てるって、なに……っ」
なんとなく察しはついている。けど、私はそんなの、信じたくない。だって蜻蛉切様にもされたことないのだ。子供が出来てしまうかもしれないからと、蜻蛉切様はいつだって私を気遣ってくれた。それなのに、こんなところで……。
「なにって、わかんねーの?……中に出てんだろー。俺の精液……」
「いやぁぁぁああーーーッ!」
蜻蛉切様にもされたことないのに!私の初めてだったのに!混乱してばたばたと身体を動かす私を、御手杵様は片手で押さえつける。そんなものを注がれるくらいなら、毒薬を注がれた方がマシだった。蜻蛉切様でないもので私が穢されていく。蜻蛉切様に会いたい、助けてほしい。そんな私の心も知らず、御手杵様は私の腰を抱えた。
「……じゃ、もう一回。いや、何回できっかな」
「……や、蜻蛉切様……蜻蛉切様ぁ……」
「気ィ失うくらいまでは付き合ってもらうから」
「たすけて……ぐずっ……ううう……とんぼきりさま……っ」
御手杵様はもう一度、私をばちんと叩いた。もう普通じゃない私は、涙で歪んだ閉じられた障子の向こうの廊下に、何か大きな影が動く幻覚を見た。蜻蛉切様が助けに来てくれたなんて希望を持って、そしてすぐに絶望した。
***
縁側に腰を下ろして、蜻蛉切はぼんやりと中庭を眺めていた。俺は隣に座ってその横顔を見る。すごく落ち着いた声で蜻蛉切が呟いた。
「彼女は」
「部屋で寝てる。動かない女介抱するのって結構大変なのな」
「……」
いつにも増して無言なので、俺はちょっとムッとした。元はと言えばあんたに頼まれて俺は動いたのに、その態度は無いんじゃないか。
「なー、あんたに頼まれて好きでもない女抱いたんだから、お礼くらい言ったらどうなの」
「……失敬」
こちらを向いた蜻蛉切は、この男はこんなに感情を顔に出すのかというほどいつもの蜻蛉切と違ってしまっていた。なんて顔をするんだ。
「素晴らしいものを目撃してしまった……あんなに可愛らしく泣いて叫んで、自分を信じ、何度も名を呼んで……嗚呼……これまで仕込んできた甲斐があったというものだ」
恍惚とした顔。普段は真面目に見えるけど、とんでもない男だ。まさか自分の女が他人に犯されてるところが好きなんて、信じられないよな。
「あんたって、そういう破滅的なのが好きなの?」
「いや……でも、あんなことされて、それでも彼女は自分を信じている……これがどんなに唆られることか、男なら誰でも分かる筈だ」
「ふーん……俺にはわかんねーや」
ま、気持ちよかったしいいかな。神様とか言われても、心の底にはドス黒いものが渦巻いてるのは、俺も蜻蛉切も一緒だ。人の身体っつーのは思ったより厄介みたいだ。
「また、付き合ってくれますな?」
「まっ、気が向いたらな」
かわいそーにな。他人事みたいに俺も蜻蛉切も笑った。