03 【She】




 あたりをくまなく歩き回ったけれど、メズマライズの群れのいた岩棚では、原石を見つけることができなかった。

 その代わり――にはならないけれど、岩棚の端で、薄煙を棚引かせている標を見つけることはできた。調べてみたところ、長い間使われていない様子だったが、標の効力自体は生きていたので、もしも陽が落ちるまでに原石を見つけられなかった場合は、この標にまで戻って来て、テントを張ろう、という話になった。

 太陽はとうに真上を通り過ぎている。日没までにはきっと、あと数時間もない。

 けれど結局、それからいくらも経たないうちに、目当ての原石は見つけられた。標のあった岩棚とは真逆――幹線道路を挟んで反対側にあったのだ。今思えば、目敏いプロンプトが、対極の岩棚へ渡る道を、見つけてきてくれたところから事態は動き出していた。こちらと向こうの岩棚を、アーチめいて繋いでいた細い岩の上を渡ると、メズマライズの群れのいたところのように、開けた場所が広がっていた。遮るもののないその景色からは、なんと、ガーディナ渡船場まで望めてしまった。

 アネモーラたち一行は、そこで他の岩々とは明らかに異なる様相の奇岩を見つけた。ところどころに、赤い石を露出させた岩なんて、それくらいのものだったのだ。

 周辺に散らばっていた赤い塊の中から、具合が良さそうなものを素人目ながらに選定して、念のためグラディオラスにも、奇岩に向かって大剣を振るってもらい、衝撃で零れ落ちた石の中からも、良石を見繕っておいた。

 その途中、巨鳥と遭遇する、といったハプニングもあった。アネモーラたちはその規格外の大きさに、ただただ驚き圧倒され、羽ばたき飛び立っていくその巨躯を、固唾を呑んで見送ることしかできなかった。戦闘に発展しなかったのは幸いだった。巨鳥も、そんな気分ではなかったのかもしれない、こちらを一瞥することもなく飛び去ってしまった。

 さて、拾った原石を袋に詰めたところで、当初の目的は達成できたのだが、そこでひとつ、仲間うちの間で話し合いがもたれた。話し合いの内容は、レガリアを飛ばして急ぎガーディナに戻るか、先ほどの標で一泊をしてからガーディナに戻るか、といったものだった。

 これ以上サルエン渓谷に留まる理由はなかったけれど、日没までの時間を考えると、陽が落ちるまでにガーディナへ戻れるかは、難しいところだった。話し合いの末に、敢えてリスクを冒す必要はない、という意見にまとまったので、一行は先ほどの標にまで戻ることにした。

 キャンプである。

 アネモーラはまず、武器召喚の要領で、キャンプに必要な道具を次々に、何もない空間から取り出してみせる、グラディオラスとノクティスの応用術に、呆れ返ってしまった。

「だっていちいち持ち運ぶの大変だろ。レガリアのトランクにも入りきらねーし」

 とは、ノクティスの言葉である。確かにそうではあるけれど、王家の血に与えられた特別な術を、こんなふうにアレンジしてしまっても大丈夫なのだろうか、先祖の怒りを買って罰を貰うことにはならないだろうか、とアネモーラは心配になったが、ノクティスの言う通り、いちいち持ち運ぶのは実際問題、大変である。便利なのは便利だ。

 次にアネモーラは、自分自身の準備が不十分なことを心配した。まさか泊まりがけの原石探しになるとは思わず、荷物一式をガーディナのホテルに置いてきてしまっていたのだ。

 けれどそれは無用な心配だった。何事においても用意のいい軍師が、アネモーラの旅行鞄を、レガリアのトランクに運び入れてくれていたのだ。

 アネモーラは先見の明のあるイグニスに感謝したが、同時に少し複雑でもあった。確かにガーディナを出発する前、部屋の鍵をイグニスに渡し、フロントに預けてもらうよう頼んだけれど、そもそもフロントに預けておこう、鍵を渡してくれ、と言い出したのもイグニスなのだ。けして他意はないのだろうけれど、部屋に入って荷物を触るのなら、一言断ってくれればいいのに、とも思ってしまう。半ば諦めていることではあるけれど、イグニスにはそういった過干渉さがままあった。

 キャンプの設営をしているときもそうだ。アネモーラはまず、全体の指揮を執っているグラディオラスに手伝いを申し出たのだが、アネモーラには頼めないと断られてしまった。それは王女がどう、といった話ではなく、女性に力仕事は頼めない、という内容だったため、アネモーラも納得のうえ引き下がった。確かに、アネモーラも力仕事に自信があるわけではない。

 では非力な自分にもできること、と考えたアネモーラは、次に夕食の準備をしているイグニスに声をかけたのだ。キャンプの設営には加わらず、手持ちの食材から、献立を巡らせているらしいイグニスも、アネモーラの申し出を断った。曰く、

「もしも包丁の使い方を誤って、指を切ってしまったらどうするんだ。それが痕にでもなったら大変だ」

 曰く、

「もしもフライパンの使い方を誤って、火傷をしてしまったらどうするんだ。それが痕にでもなってしまったら、オレは陛下に顔向けができない」

 あくまでも真剣な顔でそう説いてくるイグニスに――おじさまはそんなこと気にしないと思うけれど――とは、とてもではないが言えなかった。程度はどうあれ、アネモーラを気遣っての発言なのだ。そして極めつけの言葉を受けて、アネモーラはすごすごと撤退した。

「アネモーラ。嫁入り前のお前の体に、傷を残すような真似はできない」

 そう言われてしまっては、引き下がるしかなくなる。

 嫁入り前、と諭されても、今はまったくピンとこないけれど、アネモーラは自身が王女という、特異な身分の人間であることは自覚している。それで自由が阻まれたことも、望みを諦めたこともたくさんあったからだ。不満はない。どうせ逆立ちをしても、出自は変えられないからだ。話したことはないけれど、ノクティスも同じ気持ちなのだと思う。変えられないのなら、受け入れるしかない。割り切って、諦めるしかない。

 だからいずれは、今回のノクティスのように、アネモーラも政略的な結婚を迫られるのかもしれなかった。それについての不満はない。不満はないけれど、まだそんな未来を実感もできないので、嫁入り前と結婚の話題を持ち出され、それを盾に手伝いを断られてしまっても、納得できないだけだ。

 結局、見かねたプロンプトが簡単な仕事を割り振ってくれたので――椅子を運ぶとか、物の配置を変えるとか、それは小学生のお手伝いみたいで気が引けたけれど――でもそのおかげで、みんながそれぞれの作業に勤しむ姿を尻目に、膝を抱えてぼんやり座っている、なんて情けないことにはならなかったので、助かった。

 それだけでなく、他にも、プロンプトはアネモーラにたくさん気を配ってくれた。

 料理ができるまでの時間を利用して、設営を終えたノクティスとグラディオラスが、二人だけでトレーニングを始めてしまった時も、手持ち無沙汰になったアネモーラを気遣って、旅の間に撮りためたという写真を見せてくれた。

 レストストップ・ランガウィータ、ハンマーヘッド、王都検問所跡……それはアネモーラにも馴染みのある景色たちだった。

 そうそう、何故かここに、カップ麺の広告看板が立ってるんだよね、と写真を指差して笑っていると、どうしてそんなことを知っているの、とプロンプトに驚かれてしまった。学校が長期休暇に入るたび、帰省で使っていた道だから、と答えると、納得し、じゃあ外での経験値はアネモーラさんの方が上だね、とまで言われてしまったけれど、それは誤解だ。アネモーラは訂正する。

 行き帰りはいつも“王の剣”に護衛してもらっていたし、途中で休憩を挟むことはあっても、ほとんど車で素通りするだけの道だったから、地理もよくわからないし、もちろん、野獣との実戦も先ほどが初めて――そう説明しながらアネモーラは、よく護衛に付いてくれていた、王の剣の面々を思い出していた。帰省の際には、王の盾ではなく、王の剣から護衛を出してもらっていたのだ。

 外の情勢に優れ、また実戦での経験も豊富な王の剣たちは、王都守護を目的としている王の盾とは、まとう空気から違っていて、初めこそ、そこに苦手意識を抱いたものだった。彼らはいつも緊張していて、何かに対して警戒していた。それは話しかけるのも躊躇われるほど、尖ったものだった。――もちろん、帰省を重ねるにつれ、そんな躊躇はなくなっていったのだけれど。

 そういえば、ニックスは元気にしているだろうか。護衛に付いてくれた面々の中でも、特に苦手だった人の顔を思い出して、アネモーラは少し微笑う。真面目だけれど、無骨でぶっきらぼうな彼のことが、最初は怖いとすら思っていたのだ。紆余曲折の末に、彼の心のあたたかさに触れたアネモーラは、もちろんその認識を改めたのだけれど。

 そうだ、次の帰省の際には、ニックスに結婚の話をしてみよう、とアネモーラは悪戯を思いついた子供のように企てる。ノクティスだけでなく、アネモーラの相手も、既に見繕われているらしい、と話したら、ニックスはどんな顔をするだろう。とある経緯によって、アネモーラのことを、「じゃじゃ馬」「向こう見ず」「はねっかえり」、そしてたまに「馬鹿王女」と呼ぶニックスのことなので――たぶん親しみは込められている――結婚の話なんて持ち出したら、きっとすごい形相になるに違いない。想像しただけで笑えてしまう。

 そうして旅の思い出を見せてもらっているうちに、陽はゆっくりと傾いていった。

 光の後退と共に闇が立ち現われてくる。いつのまにか、辺りはすっかり暗くなってしまっていた。ランタンを持ったグラディオラスが、手際よく木を組んで火を起こす。

 夕食は、焚き火を囲みながら摂った。たっぷりの野菜が十分に煮込まれたホワイトシチューは、いつもより濃厚な味付けにされていて、そのどろりとした液体を口に運び入れるたび、一日中歩き通しで疲れた体が、ぐんぐんと元気になっていくようだった。

 付け合わせとして出されたバゲットも美味しく、アネモーラは珍しくおかわりを願い出てしまった。旺盛な食欲をみせるアネモーラに、イグニスは驚いていたけれど、同時にとても嬉しそうでもあった。

 食後のコーヒーでブレイクタイムを挟んでからは、ちょっと早いような気もしたけれど、アネモーラは自分のテントに引き上げることにした。プロンプトからは賭けトランプに誘われたが、それは丁寧に辞退した。一体何を賭けているのか、意外に白熱するらしい戦いには興味があったけれど、押し寄せてくる疲労感と睡魔には勝てない。いつもとは違う環境で、いつもとは違う生活だ。野獣と戦ったのも初めてならば、戸外でキャンプをするのも初めてだった。きっと今日は、たくさんのエネルギーを消費したのだろう。瞼はとろりと重く、四肢には心地よい気怠さがまとわりついていた。横になったその瞬間には、夢の世界へ飛んでいけそうだ。

 けれどその見積もりは甘く、アネモーラは毛布の上で何度も寝返りを打つ羽目になった。終いには目を開けて、テントのロフトを眺め始める。相変わらず体は疲れ切っていて、すぐにでも睡眠を欲しているのだけれど、何故だか頭が冴えてしまっている。いつもとは違う環境に疲れる一方で、神経が昂ってもいるのだろう。

 あとはたぶん、地面が硬いせいだ。観念したアネモーラは起き上がることにした。もらった毛布を体にかけず、シーツ代わりに敷いているのだけれど、それでも岩場の硬さはごつごつと、アネモーラの眠りを妨げる。やわらかなベッドが恋しかった。こういう環境に身を置くと、文明のありがたみをつくづくと感じる。

 外に出るため、フロントドアのジッパーを下ろした。

 このひとり用テントは、グラディオラスが保険で持ってきたものだと言う。寝相が悪い者、もしくは鼾の凄まじい者は、このテントに放り込まれる予定だったらしい。今の今まで出番もなく眠らされていたところを見るに、幸いにも、四人の中に該当者はいなかったようだ。

 半分ほど開けたフロントドアを跨いで、外に出たアネモーラは、そこで意外な人物を目にして驚いた。

「ノクト?」

 アウトドアチェアのひとつに座り、頬杖を突いていたノクティスが、緩慢な仕草でこちらを振り返る。……目が半分ほど閉じている。眠たそうだ。

「何してるの?」

 焚き火を囲むようにして並べられている、椅子のひとつにアネモーラも腰を下ろす。隣のノクトは大きなあくびをしてから、

「見張り」

と、眠たそうな声で答えた。

「見張り?」

 焚き火に手をかざしていたアネモーラは、びっくりしてしまう。標には特別な力が施されている。だから野獣やシガイは、標に近寄ることができない――そういうふうに聞いていたのだけれど。

 アネモーラの困惑を読み取ったのだろうか、ノクティスは焚き火に目を向けたまま、淡々と答えた。

「標も、人までは追い払えないからな」
「……どういう意味?」
「ただの旅行者が、そこらへんをうろうろしてるなんて、フツーはないだろ」
「けど、だから、標で休もうとして」
「標を探し始めた? シガイが出るかもしれない夜になってから?」
「……それは……」

 その通りだった。反駁したくなる気持ちを呑み込んで、アネモーラは口を噤む。伯父の治めるルシスは美しい国だ。だからそこに住まう人の善意を信じたくなるけれど、みんながみんな、そうではないこともわかっている。悪事を企む者もいるだろう。警戒するに越したことはない。それに、伏せた旅程とはいえノクティスは王子で、今はそこに王女であるアネモーラも加わっている。万にひとつを考えて、見張りを立てるのは妥当だった。

 束の間目線を落としてから、アネモーラは顔を上げた。

「ノクト、わたしも――」
「無理」
「え」
「却下」
「……まだ何も言ってない」

 せめてもの思いで抗議をすると、頬杖を突いたままのノクティスが、気のない素振りでこちらに目を向けた。

「わたしも見張りに混ぜろとか、どーせそんなことだろ」
「……」

 図星だった。図星だったけれど、それをそのまま認めてしまうのは、なんだか癪だったので、アネモーラはつい意地を張ってしまう。

「別に。違うし」

 アネモーラの性分として、こういった返し方をするのはあまりないことなのだけれど、不思議とノクティスの前では、つい意地を張ったり、憎まれ口を叩いたりしてしまうのだった。それはたぶん、小さな頃からほんとうの兄妹のように育てられ、そしてまた、アネモーラとノクティス自身も、お互いをそのように思っているからこその、遠慮のなさの表れなのかもしれない。

「あっそ」

 アネモーラの言動を気に掛けることもなく、むしろ慣れた様子で、ノクティスは再び焚き火に目を戻した。そうしてから、ごく自然な調子で言葉を続ける。

「もう二時間制でローテ組んでるから、混ざりたいなら、また今度な」
「……今度って、いつ?」

 我ながら可愛くないと思いながらも、アネモーラは尖った声で、ついノクティスに絡んでしまう。

「朝になったら、もうオルティシエでしょ。次なんてないよ」
「じゃあ、オルティシエでも見張りすりゃいーだろ」
「オルティシエには見張りしてくれる兵士がいるでしょ」
「じゃーオレはそれを見張る。お前はそんなオレを見張る。どーよ」
「…ばかじゃないの」

 まともに取り合う気のないノクティスに、すっかり気勢が削がれてしまった。アネモーラはため息をついて、目を伏せた。守りたいという気持ちを向けられるのは嬉しいし、そのために心を砕いてくれるみんなには感謝している。けれど、それぞれの仕事に取り組む人たちを前にして、何もせずに棒立ちでいるのは、とても身につまされる。肩身が狭い。きっとイグニスならば、気に病む必要はないと言ってくれるのだろうけれど、そう思ってしまうものはどうしようもない。

 パチリ、と焚き火が小さく爆ぜた。

「寝ねーの?」

 アネモーラは伏せていた目を上げて、ノクティスの横顔を見た。焚き火の赤に照らされた横顔の上では、陰影がゆらゆらと踊っている。

「眠れないの」

 そんな意図はなかったのだけれど、蚊の鳴くような細い声が出てしまって、アネモーラは慌てた。慌てて誤魔化そうとする。

「眠いのは眠いんだけど、なんか、頭が冴えちゃって」
「へえ」
「あと、ほら、毛布敷いても、やっぱり地面が硬くて、気になっちゃって」
「あるある」

 言いながらノクティスは立ち上がった。四人のテントに向かって歩いて行ってしまう。不思議に思いながらも、特に声をかけずに眺めていると、ノクティスはジッパーを開けてテントの中に入って行ってしまった。……抗議めいた唸り声が聞こえるのは、気のせいだろうか。気持ちよく寝ていた誰かのお腹を、踏んづけでもしたのではないだろうか、とハラハラしながら待っていると、やがてノクティスが戻ってきた。

「ん」

 何かを握り締めているような拳が、目の前に突き出される。事情がよく呑み込めないながらも、両の手の平をお皿のようなかたちにして差し出すと、そこにぽとりと、何かが落ちてきた。

 アネモーラはそれをつまみ上げ、焚き火の明かりで正体を確かめようとする。角のないなめらかなフォルムと、すべるような肌触り。焚き火の赤をてらてらと反射するそれは、どうやら陶器でできているようだった。

「カーバンクル」

 アネモーラが導き出すよりも先に、ノクティスが答えを教えてくれる。

 アネモーラは、手の中のカーバンクル人形から、目の前のノクティスに視線を移した。ノクティスは軽く肩を竦めてみせる。

「貸してやるよ。それがあると、よく眠れるんだ」
「へえ」

 アネモーラは感心した。感心してから、あることに思い当たって、少し口角を上げる。

「だから、旅に連れてきたの? こんなに可愛い人形を? ノクトが?」
「バ」

 反射的に声を上げかけてから、ぐっとノクティスは思い留まった。

「――ッカじゃねーの。ちげーし。これは、その……なんでか、荷物に紛れてたんだよ」
「ふうん」
「いらねーなら返せ」

 取り上げようとするノクティスから逃げるため、アネモーラはさっと椅子から立ち上がった。

「いる。ありがとう」
「……どーいたしまして」

 返答がつっけんどんなのは、たぶん照れ隠しによるものなのだろう。いかにも苦々しげな顔が赤く見えるのは、焚き火のせいだろうか。

「ノクト」

 嫌々顔を上げるノクティスに、アネモーラは笑った。

「おやすみなさい。また明日」
「…おう」

 ノクティスの顔がやわらかくなる。

「おやすみ。また明日な」

 ひとり用のテントに戻ったアネモーラは、枕元にカーバンクル人形を立ててから横になった。また眠れなかったらどうしよう、という思いが頭をよぎったけれど、小さなカーバンクル人形を見つめているうちに、いつのまにか眠り込んでしまっていたようだった。イグニスに起床を促されるまで、一度も目を覚ますことはなかった。もちろん、夢も見なかった。

 トーストとコーヒーで簡単な朝食を済ませた一行は、レガリアを走らせ、一路ガーディナへの道を急いだ。最終的な目的地は、もちろん海の向こうのオルティシエである。

 しかし、事はそう簡単には進まなかった。





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