Maria...


>>ムクツナ



 そいつは、憎たらしいほどの笑みを称えて闇と共にやって来る。まるで溶け込んでいたかのように、スルリ、と現れては、オレの腕を掴む。

「沢田綱吉くん‥」

 そっと名前を呼んで、オレをその腕の中に引き込んでいく。抵抗すればいいものを、何故かオレは受け入れてしまう。
 だって、

「綱吉くん‥」

 泣いてる人を振りほどくなんて、出来ないから。

「綱吉くん‥っ」

 すがりつくように抱き締めては、繰り返し、繰り返し名前を呼ぶ。どこか、懺悔するようにもとれるその行為に意味などない。
 意味など、ない。

「綱吉くん‥」
「骸‥」

 許されたい君と、許したい僕と。罪を重ねるのは、どちらですか。



end.

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それにしても短い。

2013.11.02