ああ…体がダルい。
酷く気だるく指先を僅かに動かす事すら苦痛で、呼吸をする事すらも今は苦痛で仕方ない。
「重っ」
オレの体の上に置かれた腕を払いのけ、ベッドから出る。
ヒンヤリとする床が体を冷やしていく。
「ダル、い…」
風呂場に行き、頭からシャワーを被ると、意識も段々とハッキリしていき、オレはただただ体のダルさと気持ち悪さに苛立ちが募り、ふと視線を上げれば鏡に映る自分の姿が目に止まり、更に苛立ちを募らせた。
ひたりひたりと滴り落ちる水の中、浮かび上がる自分の姿。
自分の体にある幾つもの赤い痕。
「痛…っ」
ピリッと走る痛みに眉をしかめ、痛みの原因を見れば、体に赤く滲んだ線が走っている。
オレは無意識に自分の体に爪を立てていた。
「クソがっ」
何がこんなにもオレを苛立たせるのか分からないまま、鏡に映る自分を睨み続けた。