「俺は好かねえ」

 目の前の偉そうな男はボソリとそう言って手に持っている酒を豪快に飲み干した。俺はというと、食べ終わった骨付き肉の骨を奥歯で噛んで遊んでいたが皿にカランと投げて面倒だなと心の中でごちた。

「…好かねえっつっても、あいつは俺の初めての仲間だからな」

 島に碇泊し、今日はゾロと買い出しに出掛けた。それぞれ行きたいところがあって別れて行動するつもりでいたが、別れる手前に俺は何者かによって路地裏に引き込まれて、まあ、今に至る。その何者かは言わずともローであったのだが、些か機嫌が悪過ぎてこちらも対処しきれないでいる。

「兎に角、俺は好きじゃねえ」
「俺は好きだけど」

 煩いのでからかい交じりにそういうと、片眉をピクリと動かして黙りこくってしまった。分かり易いやつだなあと机を乗り出して眉間に寄った皺に触れようとした手を掴まれた。鋭い瞳にとらわれて少しだけギクリとした。

「お前、あいつと…したことあるだろ」

 一番聞きたかったのはそこなのだろう、心底真剣に聞くものだから逆に笑えなくて、真顔で答えた。

「海賊だしなあ…ナミとかとするわきゃいかねーし」
「…」

 そういうとローは俺の手を離し考えるように腕を組み顎の髭に触れた。そんなローにしょうがないなあと少し笑みをこぼしてルフィが言葉を投げた。

「ンなおこんなよ、もーしないよ。トラ男がやだっていうなら」

 チラリとローを見るとまだ腕を組んで眉間に皺を寄せている。重症だなとルフィは心の中でほくそ笑む。

「ンなこと…」
「ゆえねーの?」

 ルフィは首を傾げてからテーブルに両肘をつきローを見つめた。ローはルフィの視線に居た堪れなくなったのか髪をぐしゃぐしゃと掻き観念したように呟いた。

「いやだ」
「ししし、じゃあお前も女とすんなよな」

 ネタは上がってるんだぜーとルフィは指をおりながら、島の名前と女の特徴をあげていく。ローはいつ見てたんだとぽかんと口を開けながらも、もういいやめろとルフィの口を片手で覆った。

「シャチかペンギンか…」
「もごもご……ししし、幾つかは俺情報だ」

 ローは、そーかよと罰が悪そうに言い、善処すると呟いた。ルフィが善処ってなんだと言うのを無視して帽子を出し深々と被った。そしてカウンターにツカツカと歩いて行き金を置いてルフィのいるテーブルに戻りルフィの腕を掴んで立たせた。

「約束守れよ、じゃねーとお前の知り合いのオカマの能力使うぞ」
「え…どっちに」
「お前にだよ」

 一発で孕むくらいしつこくしてやるよ。と、いやらしい笑みで言う。

「あ、俺それ知ってる、きせーじじつっつーんだ!」
「どこ情報だ」
「え、えーと……ハート情報だ」
「…斬る」

 こめかみに青筋をたてて剣を抜こうとするローの腕を掴んで今日はきせーじじつするのか?と問うと、あのニヤリとした笑みを向けて当たり前だと宣った。


既成事実と情報社会



(130427)
またエロ書けなかった。
イワンコフの能力て生殖器はどうなんだろうと思ってんだけど。本気でサラダちゃんを孕ませて欲しいローさんに。

壱汰

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