不確境(批評) [4/4] ![]() 作者さまの中で完結された物語を、指先で触れているような読後感でした。 楽園の謎、青年の謎、少女の謎……全てが明らかにされないままだったので、『え? つまりどういうお話だったのかな?』と思ってしまいました。 (すみません、読解力不足で……;) また、アリウス寄りの三人称でしたが、彼に共感できなかったため、彼らを『眺めている』ような感覚でした。 ただ、これは完全に私の主観です。 ですが、ゆったりとした雰囲気は私にとって心地の良いものでした。 情景描写・心理描写。共に充実していて、心の中にやさしく積もっていくようでした。 言葉の突っかかりがなく、すらすらと読めたのも、作者さまが一文一文を丁寧に作られたからだと思います。 堅実な文章と豊富な語彙で、その世界の雰囲気に酔っていたくなる……そんな短編でした。 (作者さまへ。この度は批評させていただき、ありがとうございました。これからのご活躍も応援しています!) ![]() ≫個人的好みの問題かと思うのですが、文頭からどうしても物語に入り込む事が出来ず、文字を追うのに苦労しました。 ので、あまり気の利いた事は書けないと思いますが、お許し下さい。 ・主人公の名前は、最初に地文で『男』としたければ、後から地文で名前を明かすのではなく名前を呼び合う間柄のキャラを出して呼ばせる事で明かす方がいいのではないでしょうか。 『青年、アリウスはぽつりと呟く。』という文章の『青年』と『アリウス』の間辺りでちょっと引っ掛かってしまいました。 ・少女の登場シーンで、アリウスと彼女の位置関係が解り辛かったです。 最初は、少女もアリウスと同じ地面の上に立っているものだと思ったのですが、その後のシーンで『彼女は…(略)…青年を見下ろしている。』とあったので、「えっ、何、この子アリウスより背が高いの? それとも宙に浮いてるの? 浮いてるんだとしたら、いつから??」と混乱してしまいました。 ・半ばで唐突に死後の世界の話になって展開が早いなと思いました。冒頭にもう少し解り易い伏線が欲しかったです(あったとしたら、読解力がなくて申し訳ございません……)。 ・『きっと、彼はもう生きていないのだろう。きっと、ここに辿り着くこともなかったはずだ。』の文章ですが、『きっと』が二回連続で使用されているのが気になります。『ここに辿り着くこともなかったはずだ。』の直前の接続詞を変えた方がテンポがいいのではないかと思います。 ・繰り返しになりますが、少女のいる場所が上手く描けません。 『静かに錫杖の先を地につけた…(略)』から、「あれ、やっぱり地面に立ってるのかな」と思えばその後『青年は懇願するように彼女を見上げ』と来て、「十代の見た目の女の子の身長が大の大人の男より高い訳無いし……坂道か???」といった具合で混乱してます。 ・最後のアリウスの台詞、『これ以上生にしがみ付きたがる友は欲しくないのでね』の友とは、亡くなったと思われる友人を指しているのでしょうか? 総じて疑問が疑問を呼ぶよく解らない話という印象でした。 終わり方からすると、続編がありそうですね。 頑張って下さいませ。 ![]() 読者放置プレイに定評がある八角の文章ですが(当然悪い意味で)、この度も誠に不親切な短編で非常によろしくないことと思います。すみませんでした。 ・アリウスの最初の最初にあたる動作が抜けている。あと時々でアリウスの仕草を入れるべきだったかと ・心理的な描写、動作、その他の文章を明確に分けるべき。特に序盤は文章がごちゃごちゃし過ぎて、殊更読みずらい印象 ・描写が半端過ぎてとても読みずらいです。すっ飛ばしている部分も分割してきちんと書くべき。 ・アリウスと少女の関係性を、過去か未来かで明確化したら、まだ地に足がついた内容になったかもしれません。 苦手な雰囲気に挑戦したら案の定当たって粉砕したわけですが、原稿用紙10枚以内で伏線回収の努力すらしない私にはもう何とも言えません。 今後は、「ちまちま伏線回収する癖をつける」「面倒臭くても文章をすっ飛ばさず書く」ことに気を付けること。 本編をお読み下さり、そしてこの文章を読んで頂き、有難うございました。 ![]() 全体の印象的には哲学的かなと。ストンと話の中に入り込むには何度か読み返しが必要でした。 読者側と作者側の間に溝を感じると言いますか……。個人的には『結局は、何がわかったんだろう?』と謎な部分が多かったです。 ひとつひとつの描写は細かく、言葉の使い方、言い回しはとても勉強になりました。 ただ、少女とアリウスの位置関係が分かりにくいと感じる部分もありもったいなかったです。 今回は批評させていただきとても勉強になりました。これからも頑張ってください。 [*prev] | [next#] |