空中庭園〜SCEPX・序章〜(批評) [2/4] ![]() ではさっそく気になったことを。 個人的に、物語や登場人物に感情移入しにくかったです。以下の2点を理由としてあげます。 1点目。 三人称でしたが、エマヌエルとウィルヘルムの視点が混ざっていることがあるように思えました。 具体的に言いますと…… 1ページ目。 「ウィルヘルムは胸の内で〜」(ウィルヘルム視点) 2ページ目。 「本気だろうか」(エマヌエル視点) などです。視点を登場人物寄りにするのでしたら、どちらか一方に統一していた方が、短編ですし感情移入しやすいかもしれないなぁ、と思いました。 ですがこれは私個人の偏見ですので、『こんなふうに感じるひともいるんだ』と軽くお受け取りください(汗) 2点目。 次々に新しい名前や設定が出てきて、初読時は『え、この単語何だったかな?』と読み返したりしました。 地の文で丁寧に説明がされているのですが、それでも3ページの内にある設定の理解に追われて、気付いたら『あ、ここで終わりなんだ』という状況でした。 2回目以降は単語を覚えることが出来たので、読み返さずに済みました。 ……単に私の物覚えが悪いだけのような気もしますが; 次に描写について。 3ページ目。 「机の上に突っ伏す」とありますが、それ以前に警察署内の背景描写が見当たらなかったため、やや唐突に感じました。 また、エマヌエルは何となく容姿が見えたのですが、ウィルヘルムに関する描写が無く、想像できませんでした。 せめて資料の男達くらいの情報が欲しかったなぁと思いました。 ここからは完全に個人の主観です。 設定に関する説明が豊富・丁寧で、それは理解できました。 ですが私は逆に、どうして主人公は無免ハンターなのに警察に捕まらないのだろう、などに興味をもちました。 全体的に、人物の仕草や表情の描写はわかりやすかったと思います。台詞でもそのひとの人柄が伝わってきました。 あと、「言い触らすような人間が周りにいない」の理由に、いけないと思いつつ笑ってしまいました。ツボです。 短編というよりはタイトルにある通り、まさに長編の『序章』という感じでした。 (作者さまへ。この度は批評させていただき、ありがとうございました。これからも執筆活動がんばってください^^*) ![]() 和倉さまの文章を拝見した際はまず、記号のダッシュを多用なされる方なのだなと感じます。 原稿用紙10枚以内という枠組みの中で、しっかりとした物語の基盤を築けるのが非常に羨ましいです。長編小説の書き癖がしっかりとついているからこそ、出来ることなのだと思いました。 しかし短編として収束するのではなく、盛り上がり始めたところで問屋がおろされてしまったような読後感で、「続き!かむおん!」と思ってしまったのはここだけの話です、はい。 登場人物が心境等を表には出さず、頭の中で完結させてしまうことが多いことが気になりました。ストレスを溜め込んでしまう割に、行動に現れないなと。 比較的動よりも静が多く、説明が多くなりがちですが、続きを読みたいと思わせる書き方は本当に羨ましいです。 この度は批評会に参加頂き有難うございました。そして素敵な作品を有難うございます! ![]() ラストになってスカッと肩透かしを食った気分というか、『えっ、これで終わり? 続きは!?』という感じでした。 でも、少し客観視出来たので、参加して良かったです。 ![]() 字数制限がある中で世界観などを読者に知って貰うのは大変だとは思いますが、もう少し登場人物同士の会話の中に含ませる等の工夫があればわかりやすかったかなと思います。 また、固有名詞が頻繁していたので、私は読んでいる途中で読み返して確認することが多かったです。短い話の中では、なるべく減らし、その場にいる人物だけの方がややこしくないのかなと。 タイトルからも、終わり方からも、続編があるのが伺え、続きがとても気になる、読んでみたいと思える終わり方でした。 今回は批評させていただきとても勉強になりました。これからも頑張ってください。 [*prev] | [next#] |