「この子はアリサ」

「よ、よろしくお願いします」

「仲良くしてやってな、嵐」

「・・おいプリーモ。もしかしてお前また、」

「いや、この子は違う。・・俺のお客さん、と言ったところ」

「客?こんなガキに何の用があって・・・」

「んー、とりあえず朝食にしようか?俺は腹が減った」

「はぁ?ちょっと待「な?」・・おう」


おとなしくなったヤクザ…ではなく嵐さんはジオの隣にドカッと座りって、再び始まった朝食。それにしても目付きが悪いこと。でも食べ方超綺麗だわ。・・・まぁジオには頭が上がらないみたいだけど。そんなことを考えつつ、今度こそ念願のソーセージにウキウキしながら手を伸ばす。が、それは斜め前に座っている彼によって阻まれることになる。


「おい、ところで今日はあいつが・・」

「あああああああああ!!?それわたしが狙ってたの!!!」

「んなの知るか」

「なっ、人の物は取っちゃいけないってお母さんに教わらなかったんですか!」

「つーかお前は客だろ。偉そうにすんじゃねぇよ」

「客はもてなすものです!!!」

「え、アリサは住居人だろう?」

「「・・・・」」


当然のことのように言うジオに私と嵐さんは無言で固まる。そして何事も無かったようにサラダのトマトを食べるジオ。立ち上がっていた嵐さんは、はぁ…とため息をつき再び椅子に腰掛け、私もおずおずと席につき、食事タイムに戻ろうとした。そう、戻ろうとしたのだけれどまたもやそれは斜め前に座っている彼によって阻まれることになる。


「とにかくプリーモ、」

「ああっ!だからそれ私のですってばっ!」

「・・あ゙ーさっきからうるせぇな!ガキは黙ってろ!」

「・・っ、こ、このヤクザーっ!!」

「あ?んだと…」


――――ヒュンッ、
突如空気を切る音がして、向き合っている私と嵐さんの間を素早い何かが横切り、カッと壁に突き刺さる音がした。そちらを振り返れば、そこにはフォーク(本日2本目)が壁にピシピシとヒビを入れ、深く突き刺さっていた。そしてそれが飛んできた方を嵐さんと共にギギギ、と固い効果音が付きそうなくらい恐る恐る向けば、そこにはジオがフォーク(本日3本目)を握り締め、にっこりと微笑んでいた。


「二人とも食事中はもうすこーし静かにしようか?」

「「はい・・・」」


頭が上がらないのは私もでした…
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