彼女の細い腰に手を添えてぐいと引き寄せた。その勢いで彼女の唇を奪うと驚きの声をあげて俺から離れようとする。逃がすものかと舌を割り込ませて彼女のものと絡ませると苦しそうな声の中にに混じった拒絶が聞こえた。そんなことお構いなしに口内を堪能していると、瞬間酷い痛みが走る。驚きで離れ、その部分に手の甲で触れると赤い血が滲む、あぁ、噛まれた。彼女につけられた傷、というだけで喜んでしまっている俺はマゾなんだろうきっと、それでもいい。そんなことを考えながら目の前の彼女を見ると、丸い瞳からは大粒の涙が零れていた。震える手をもう一度ぐっと掴む、俺も男だ、彼女のような細い腕で揺らぐほどひ弱ではない。やだ、やだ、とひたすらに俺を拒む彼女の涙を血の味のする舌で舐めとる。しょっぱいはずのそれはひどく甘く背徳的な味がした。爪が刺さらないように強く握った腕はそのままで彼女を見つめてにんまり笑う。

「好きだよ、竜崎」

そう言うと彼女はかぁっ、と顔を赤くして俯いた。その表情ゾクゾクする、普通の彼氏じゃ到底見れない。もう一度引き寄せ今度は首筋、赤い印を付けた。あいつが見たらどんな反応するのかなぁ、楽しみ。
アイラブユー



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